ICい~カード
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ICい~カードは、伊予鉄道が発行しているICカード。従来の磁気式い~カードに代わって2005年8月23日に導入された。
基本システムにはSuica(JR東日本)・ICOCA(JR西日本)などのICカード式乗車券と同じFeliCaが採用されている。そのため、カードを読み取り機などにある程度接近させただけで、運賃の精算・チャージなどが可能である(ただし、現時点では他社ICカードとの相互利用機能はない)。
日本の鉄道・バス事業者のサービスとしては初めて、携帯電話のおサイフケータイ(モバイルFeliCa)機能を使ったサービスに対応した。
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[編集] 種類
[編集] 利用可能エリア
- 伊予鉄線
- 伊予鉄バス(一般路線バス。松山空港線・松山観光港線の各リムジンバス、高浜駅~松山観光港間の電車連絡バス、八幡浜・三崎特急線や新居浜特急線の伊予鉄道運行便を含み、新居浜特急線のせとうちバス運行便を除く)
- 伊予鉄タクシー(松山地区のみ)
- 松山自動車道の石鎚山SA、伊予灘SA
- 松山~高知間の高速バス「ホエールエクスプレス」(ただし、現在は試験運用中)
- 松山市駅の1番ホーム他、主要駅・営業所や市内に設置された自動販売機(2007年3月現在、合計26ヶ所)
- 松山市内のローソン10店舗
いずれも詳細は、株式会社e-カードのホームページを参照されたし。
[編集] 歴史
- 2004年(平成16年)3月1日 ICカード実用化に向けての実証実験を、市内電車・ループバスならびに一部の松山市内の観光施設(道後温泉本館など)で開始。観光施設では入場料等の割引があったが、電車等の運賃には割引制度がなかった(但し市内電車・ループバスに合わせて1日3回以上乗車すると、当日に限り3回目乗車からは無料となった)。
- 2004年(平成16年)8月31日 上記実験を終了(実験用カードの払い戻しもこの日までで、現在は利用不可)。
- 2005年(平成17年)8月23日 「ICい~カード」の名称で、ICカードシステムを正式導入。郊外電車でも利用できるようになったが、観光施設は当面は利用対象外。
- 2005年(平成17年)11月1日 ICい~カード定期券導入。自動チャージ機導入。
- 2006年(平成18年)9月1日 系列百貨店のいよてつ髙島屋などでショッピングにも利用できるようになった。
[編集] 特徴
- バス、電車の運賃が約1割引(市内電車・ループバスは大人150円→140円・小児80円→70円。これらに合わせて1日複数回乗ると、3回目の乗車では20円(小児は10円)だけが精算され、4回目からは無料となる。伊予鉄道では市内電車・ループバス兼用の1日乗車券(発売額:大人300円・小児150円)を別途発売しているため、「ICい~カード」でも運賃精算の扱いをこれに合わせている)。
- 小児用や身障者用(適用運賃はいずれも大人運賃の半額)なども発行されている。
- 定期券機能を持たない記名式のカードが作れる。記名式カードは発行の際にカード会社窓口での利用者登録が必要となるが、カードを紛失・破損した場合でも簡単な手続きのみで再発行を受けることが可能になる。また、発行の際のデポジット500円が免除される。記名式は発行場所が限られる(駅では松山市駅;いよてつチケットセンター・三津駅・久米駅・余戸駅)ので注意。
- 郊外電車の松山市駅には自動改札があるが、ICい~カードは他の駅と同様の簡易リーダーに当てる。その通路には扉がない。ただし不正な通り抜けができぬよう、窓口の目前に設置されている。
- バスや市内電車の車内でもチャージ可能。
- おサイフケータイサービスである「モバイルい~カード」に対応している端末はDoCoMo端末のみである(2006/11現在)。
[編集] チャージ取扱い場所と方法
以下、すべて「モバイルい~カード」も同様の手順。
[編集] ICい~カード取扱窓口
係員にチャージする金額分の現金とICい~カードを渡す。係員が端末を操作してチャージする。領収書が発行される。
[編集] 自動チャージ機
画面の指示に従う。領収書は領収書ボタンを押すと発行される。
[編集] バス・路面電車
- 利用客が、運転士にチャージする旨とチャージ金額分の現金を手渡しする。
- 運転士が機器を操作する。
- 「チャージ」ボタンを押し、運転士IDカードをタッチする。
- チャージ金額を入力する。液晶画面に金額が表示される。
- 利用者自身、または運転士がICい~カードをセンサーにおく。画面にチャージ結果が表示される。
領収書は発行されない。
[編集] 利用方法
[編集] 路面電車
均一運賃制のため、乗車時は普通に乗車、下車時に運賃箱についているセンサーにタッチする。割引後の運賃が自動的に引き落とされる。
[編集] バス
- 乗車時に乗車用センサーにタッチする。
- 下車時に運賃箱についているセンサーにタッチする。割引後の運賃が自動的に引き落とされる。
[編集] 郊外電車
- 乗車時に駅設置の乗車用簡易改札機のセンサーにタッチする。
- 降車時も駅設置の降車用簡易改札機のセンサーにタッチする。割引後の運賃が自動的に引き落とされる。
[編集] タクシー
- 普通に乗車する。
- 下車時にICい~カードでの支払いであることを運転士に申し出、カードを手渡す。
- 乗務員が携帯端末でICい~カードから減額処理を行う。
[編集] 観覧車くるりん
- 券売機で券を購入せず、直接乗車口に行く。
- 係員にICい~カードでの支払いであることを申し出、カードを手渡す。
- 乗務員が携帯端末でICい~カードから減額処理を行う。レシートが発行される。カードを受け取る。
[編集] 高速バスホエールエクスプレス(実証実験中)
- あらかじめ、高速バス予約センターにて予約を行う。その際にICい~カードで支払う旨を申し出る。
- 乗車時に、予約時に申告した名前を運転士に申し出、ICい~カードを渡す。
- 運転士が、携帯端末を操作し、運賃相当額をICい~カードから減算処理する。
[編集] ICローズカード
いよてつ高島屋が発行している自店クレジットカードに、非接触ICカード (FeliCa) 機能を付加したカードで、こちらは、PiTaPaと同じく、利用分が後日銀行口座等から引き落とされるポストペイ方式となっている。基本的な利用方法、割引率などはICい~カードと同じである。
[編集] モバイルICい~カードでの利用方法
- 携帯用伊予鉄道ホームページにアクセスし、専用iアプリをダウンロードする。
- 必要事項を登録する。したがって、自動的に記名式カード扱いとなる。デポジットは不要である。
- 初期設定が完了すると、カード式ICい~カードと同様に使用可能となる。
- この時点では残額が0円なので、まずチャージを行う必要がある。
- 携帯電話からの(クレジットカードなどを使った)チャージには対応していない。
[編集] 利用明細の確認
取扱窓口に申し出る。レシートタイプの利用明細票を受け取れる。なお、利用区間は表示されず、「郊外鉄道」「路面電車」などと表示されるのみである。個人情報保護への配慮とも受け取れるが、カードに登録されている氏名などの個人情報が印字されるなど、矛盾している点もある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
JRグループ発行 |
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Suica(JR東日本) ICOCA(JR西日本) TOICA(JR東海) |
北海道・東北地方の私鉄・公営交通発行 |
Doカード(道北バス) バスカード(北海道北見バス) バスICカード(福島交通) |
関東地方の私鉄・公営交通発行 |
PASMO(株式会社パスモ※関東地方中心の私鉄・公営交通) ICバスカード(関東鉄道) IC定期券(埼玉高速鉄道) せたまる (東急世田谷線) トランセカード(東急トランセ) モノレールSuica(東京モノレール) りんかいSuica(東京臨海高速鉄道) バスICカード(山梨交通) |
中部地方の私鉄・公営交通発行 |
passca(富山ライトレール) ICa(北陸鉄道) LuLuCa(静岡鉄道・しずてつジャストライン) 豊田町ユーバスカード(静岡県磐田市自主運行バス) ナイスパス(遠州鉄道) ayuca(岐阜バス) |
近畿地方の私鉄・公営交通発行 |
PiTaPa(スルッとKANSAI協議会※近畿地方・静岡市・岡山県の私鉄・公営交通) バスICカード(近江鉄道(立命館路線)) CI-CA(奈良交通) NicoPa(神姫バス) |
中国・四国地方の私鉄・公営交通発行 |
Hareca(岡山電気軌道・両備バス・下津井電鉄) IC定期券(スカイレールサービス) IruCa(高松琴平電気鉄道・ことでんバス) ICい~カード(伊予鉄道) |
九州・沖縄地方の私鉄・公営交通発行 |
ひまわりバスカード(北九州市交通局) 長崎スマートカード(長崎県交通局) 宮交バスカ(宮崎交通) RapiCa(鹿児島市交通局・南国交通・JR九州バス) いわさきICカード(いわさきコーポレーション※鹿児島県) |
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