T・レックス
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T・レックス
- 恐竜の一種、ティラノサウルス・レックスのこと。
- イギリスのバンド。本稿で記述。
T・レックス(T.Rex)は、イギリスのグラムロックバンド。
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[編集] 略歴
1947年に生まれたマーク・ボランがリーダー。“ヴィジュアル系”の元祖。70年代前半にグラムロックと呼ばれるムーブメントを巻き起こす。デヴィッド・ボウイとともに、そのグラムロックを代表するアーティストである。その官能的な音楽は、T・レクスタシーと言われた。
1968年にデビューした頃はアコースティック・ギターとヴォーカルのマーク・ボラン、パーカッションのスティーヴ・トゥックの二人組で、ティラノザウルス・レックス(Tyrannosaurus Rex)と名乗り、一部でカルト的な人気を誇った。その後、新しいパートナーにミッキー・フィンを迎え、エレクトリック・ギターを導入したのは70年だった。
70年12月にT.Rexとバンド名を短縮、「ライド・ア・ホワイト・スワン」の大ヒットでスターダムに。71年にベースのスティーヴ・カーリーとドラムのビル・レジェンドが加わり、4人組のバンドになって初めてのアルバム「電気の武者」がUKチャート1位の大ヒット。「ゲット・イット・オン」「ジープスター」といった人気シングルも生まれ一斉を風靡。第二のビートルズと言われた。また、デビュー当初からのプロデューサーであり、ストリングスを大胆に用いた独特のサウンドを構築したトニー・ヴィスコンティも、彼らの成功に伴って名声を得る。
72年に『ザ・スライダー』、73年には『タンクス』と次々にヒットアルバムを出す。日本でも武道館公演を行うほどの人気だった。しかし、アメリカではそれほど成功できなかった。
74年に入るとグラムロックブームが終わり、急速に人気はしぼんでいった。人気急落後のマーク・ボランは、もともと利己的だった性格が、手が付けられない程になり、全盛期を支えた仲間が次々と去り、自身の麻薬中毒ともあいまって、危機的な状況を迎える。この時期の楽曲はブラック・ミュージック色を取り入れたもので、現在ではそれなりに評価されているが、不摂生の祟ったマークは太ってしまい、ビジュアル面で精彩を欠いたことも致命的であった。やがて、息子の誕生などを機に、再起をかけて生活を改め、バンド・メンバーも一新。当時勃興しつつあったパンク・ロックにも興味を示し、人気・評価は徐々に持ち直しつつあった。しかし、77年9月、愛人グロリア・ジョーンズが運転する車が街路樹に激突し、同乗していた彼は29歳の若さで世を去った。
バンド名がT.Rexとなってからは、殆どマークのソロプロジェクト状態だったが、後年はそれがより以上に鮮明になっていた。そのため、彼の死でT.Rexは活動を永遠に休止。しかし80年代、90年代、2000年代とファンが生まれ続け新しい編集盤や未発表曲を収めたアルバムがリリースされ続けている。 ちなみに、浦沢直樹のマンガ、20世紀少年は、彼らの楽曲である「20th Century Boy」に由来しており、作中にも何度も同曲が登場する。
布袋寅泰(ギタリスト)に多大なるインスピレーションを与えている。また、X JAPANはライヴでよく「20th Century Boy」をアレンジして演奏しており、1stシングル「紅」にカップリングで収録している。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] ティラノザウルス・レックス
- ティラノザウルス・レックス登場!! - My People Were Fair And Had Sky In Their Hair, But Now They're Content To Wear Stars On Their Brows(1968年)
- 神秘の覇者 - Prophets, Seers And Sages, The Angels Of The Ages(1968年)
- ユニコーン - Unicorn(1969年)
- ベアード・オブ・スターズ - A Beard Of Stars(1970年)
[編集] T・レックス
- T・レックス - T.Rex(1970年)
- 電気の武者 - Electric Warrior(1971年)
- ボラン・ブギー - Bolan Boogie(1972年)
- ザ・スライダー - The Slider(1972年)
- タンクス - Tanx(1973年)
- ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー - Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August(1974年)
- ブギーのアイドル - Bolan's Zip Gun(1975年)
- 銀河系よりの使者 - Futuristic Dragon(1976年)
- 地下世界のダンディ - Dandy In The Underworld(1977年)
[編集] 外部リンク
- TAG'S Marc Bolan & T.Rex Site
- TREXTACY T.Rex & Marc Bolan Tribute Site (日本語)
- T-REXシンコーミュージックによるDVD発売記念ページ