V号駆逐戦車
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![]() Jagdpanther |
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ヤークトパンター | |
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性能諸元 | |
全長 | 9.98 m |
車体長 | 6.87 m |
全幅 | 3.4 m |
全高 | 2.7 m |
重量 | 50.15 t |
懸架方式 | ダブルトーションバー方式 |
速度 | 46 km/h(整地) |
26 km/h(不整地) | |
行動距離 | 250 km |
主砲 | 88 mm Pak 43/3 もしくは 43/4 |
副武装 | 7.92 mm MG34機関銃 ×1 |
装甲 | 80 mm |
エンジン | Maybach HL230 P30 700 hp (515 kW) |
乗員 | 5 名 |
ヤークトパンター(Jagdpanther)・制式番号:Sd.Kfz.173は、パンター戦車の車台をもとに、前面及び側面装甲の傾斜に沿って延長・拡大された戦闘室を持つ駆逐戦車である。開発当初は重突撃砲と呼ばれていた 。名称は制式採用後も「8.8cm43式対戦車砲搭載パンターI型車台の戦車駆逐車」、「戦車駆逐車パンター」、「8.8cm43式(71口径)対戦車砲付き駆逐戦車パンター」などと変遷、1944年4月からは書類上でも制式に 「ヤークトパンター」と呼ばれるようになった。 なお本項目名のような「V号駆逐戦車」(ごごうくちくせんしゃ、独:Jagdpanzer V)なる呼び方は、僅かに終戦直前の書類の一つで「V号(重)駆逐戦車71口径8.8cm対戦車砲43/3ヤークトパンター」と記されたものが確認できるだけであり、一般的ではない。
パンターに搭載された70口径7.5cm戦車砲 (7.5cm KwK42 L/70) を上回る威力を持つ 71口径8.8cm対戦車砲 (8.8cm PaK43/3 L/71)を搭載。同じ砲を搭載するティーガーII同様、肉厚の単造型砲身の初期型と、軽量化され生産性・整備性の良い2ピース型の後期型砲身があった。ザウコフ(豚の頭)型防盾の周囲の主砲架部装甲カラーは、車内からボルトで固定する初期型、外から固定するようになった中型、ボルト孔周辺部の厚みを増した後期型の三種類が確認できる。またこの砲を(少なくとも試作型では)ザウコフごと十字砲架に載せた固定陣地用の対戦車砲・Pak43/3 Sockellafette(固定砲台)IIaも作られ、実戦で用いられた。
車体前面には7.92mmMG34機関銃をポールマウント式銃架(生産時期により形状が微妙に違う三種類がある)に装備していた。前面装甲は最大80mmだが、車体と戦闘室が一体化した避弾経始のよい設計になっていたため、実際の装甲防御力はさらに大きかった。
パンターの欠点である側面装甲の脆弱さについても、防御戦闘を主たる目的とした駆逐戦車にとっては大きな問題とならず、ドイツ駆逐戦車の中では最優秀と言われた。しかし、長大な砲身と厚く面積の広い前面装甲のためノーズヘビーであり、また砲塔を持たず照準のため車体を左右に振る動きがパンター以上にトランスミッション系への負担をかけ、その部品寿命はパンターの半分と言われる。また、試験中の初期型などはパンターと同じ履帯の装着の仕方であるが、実戦配備されているヤークトパンターでは、いかなる理由か前後逆に履いている物が多い。生産数は'44年1月~'45年3月の間にMIAG、NMH、MBA各社により計415輌と、比較的少数に終わった。もっとも生産中も細部の改良が続けられており、例えば操縦席前面のペリスコープ部分など、12種類もの形状の違いが確認できる。
[編集] その他
本車は日本の1960年~70年代生まれの多くの模型マニアの間でロンメル駆逐戦車とも呼ばれているが、実車の愛称は「ロンメル」ではない。これは田宮模型が子供たち向けに親しみやすくカッコいい商品名として、ヤークトパンターの模型にロンメル将軍の名前を付けていたためである。(形式名だけや、発音しにくかったり覚えにくい名称のプラモデルは子供受けが良くなかった。)また、日本模型のキットの商品名は「ハンティングパンサー」だが、これは Jagdpanther を英訳したものである。
[編集] 外部リンク
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