うちのホンカン
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『うちのホンカン』は、倉本聰が原作・脚本をつとめたテレビドラマで、東芝日曜劇場内にて1975年から1981年にかけて放送された人気シリーズの一つ。北海道の小さな駐在所の巡査である「ホンカン」こと河西公吉(大滝秀治)が主人公。北海道放送(HBC)制作。全6作。一話完結。各回55分。
- 主人公である「本官は...」が口癖の駐在・河西公吉は大滝秀治がつとめた。その妻役には八千草薫。娘役には仁科明子(現・仁科亜季子)がつとめた。
- 脚本家・倉本聰の壮年期を代表する作品のひとつで、倉本は本シリーズ中に北海道札幌市から同富良野市へ転居している。
- 警察モノといっても大きな事件・事故が登場するわけでもなく、昔かたぎの頑固な駐在とその家族、そして地元の人々との交わりをほのぼのと、そしてペーソス感を織り交ぜて捉えられている。
- 舞台は北海道。その中でも渡島管内旧砂原町、支笏湖畔、石狩管内旧厚田村(現石狩市)がロケ地となり、それ以外はHBCのスタジオで撮影された、オール北海道撮影のVTR作品。
- 主題歌は全作品通して、福沢恵介の「ふりむけば」(作詞・吉田旺、作曲・彩木雅夫)。
- 最近ではビデオが発売され(現在は廃版の模様)、またCS放送(TBSチャンネル)でも再放送された。
[編集] 各作品の内容
- 第2作目「ホンカンがんばる」(1975年10月19日放送)
- 支笏湖畔に赴任したホンカンは、8度目となる巡査部長昇進試験の合格を目指し邁進する。そんな中、前任地の砂原町からホンカンの娘を想う男(蟹江敬三)が支笏湖までやってくる。娘やその男、そして支笏湖畔に頻繁に出没する熊に気を取られながら、試験勉強に励むホンカンであったが、結果はまたも不合格。
- 第3作目「嘆きのホンカン」(1976年7月11日放送)
- 今なお支笏湖畔で仕事に励むホンカンは、夏の観光シーズンに向け、観光客の安全確保とチップ密漁の規制を目指し邁進する。そんな中、娘に彼氏(室田日出男)が出来たという。しかし娘と年が違い、さらに荒々しい感じのするこの男、しかもキャリアで自分の上司(課長)を見て、ホンカンは断固として交際を反対する。
- 第4作目「冬のホンカン」(1977年3月13日放送)
- 支笏湖畔で冬を迎えたホンカンは、娘と前作で登場した男との結婚を許すことに。結婚式を前日に控え、ホンカンは淋しさに打ちひしがれる気持ちを抑えて、娘の幸せに向けて邁進する。そんな中、ホンカン夫妻は結婚式場となるホテルに宿泊していた老作家(笠智衆)と出会い、彼に式辞を書いてもらうことにしたが、その作家は訳ありの作家であった。
- <この間、仁科明子の結婚(前夫・松方弘樹)や室田日出男の大麻所持による逮捕に伴い、中断期間(ブランク)が発生>
- 第5作目「ホンカン冬の陣 うちのホンカン-PARTV-」(1981年3月22日放送)
- 久々の登場となるホンカンは、日本海沿いの石狩管内厚田村に赴任する。その着任歓迎会の日、村は猛吹雪に。ホンカンは歓迎会を抜け出し、制服に着替えて外へと飛び出す。吹雪で視界が見えない中で交通整理をし、ドライバーの安全確保に向けて邁進する。そんな中、ホンカンは雪女(結城しのぶ)を目撃する...
- 第6作目「ホンカン仰天す」(1981年12月27日放送)
- タコ漁の最盛期を迎えた厚田村。そこに「心の日」と題し、老人たちに無償で寿司を提供する寿司屋がある。その寿司屋を切り盛りする兄弟や明るい村民とホンカンとの交流を描く。
[編集] 主なスタッフ
- 作・脚本:倉本聰
- プロデューサー:甫喜本宏(第1作)・守分寿男(第2~6作)
- 音楽:広瀬量平
- 美術:菅原陽一・赤羽真純
- 技術:川島国男・矢萩勲
- 演出:守分寿男(第1~2作)・小西康雄(第3~4作)・長沼修(現北海道放送社長/第5~6作)
- 制作著作:北海道放送