かぶきり小僧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
かぶきり小僧(かぶきりこぞう)は、上総国(現・千葉県)に伝わる妖怪。
目次 |
[編集] 概要
妙に短い着物をきた、おかっぱ頭の人間の少年のような姿の妖怪。人気のない夜道や山道に出没し、水や茶を飲むよう勧めるという。貉が化けた姿と言われている。
[編集] 伝承
あるとき、上総国の田舎に住む長太郎という少年が友達数人と遊んでいたところ、着物で顔を隠した妙な少年が現れ、真似をして遊び始めた。
長太郎は最初は近所に住む子供かと思っていたが、顔も見せない上に声も発さないため、その内にその少年が誰かと皆で騒ぎ始めた。長太郎たちが着物を剥ぎ取って顔を見ようとしても、決して顔を見せず、声も出さない。無理やり着物を引っ張ったところ、袖から毛むくじゃらの腕が見えた。それは明らかに人間のものではなかった。
驚いた長太郎たちが逃げ出し、大人たちが現れてその少年を追い始めた。少年は林に逃げ込んで姿を隠すと、木々の中から着物を投げ捨てた。やがて林の中から大きな狢が、どこへともなく走り去って行ったという。
[編集] 関連項目
[編集] 出典元
- 村上健司 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、113頁。
- 水木しげる 『妖鬼化 1 関東・北海道・沖縄編』 Softgarage、2004年、36頁。