ことわざパロディー
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ことわざパロディーとは、ことわざをもじって、面白く、可笑しくしたものである。もともとがリズムを持った口調のよい言葉なので、その良さと言葉の置き換えによる意味の変化、あるいはその内容の変さが笑いに繋がる。漫才やコントで使われる他、新聞記事の見出し等に使われることもある。「ことわざパロディ」とも言う。
1960年代には日本のSF作家の間でも流行ったと筒井康隆が記しており、その時の産物のひとつ『狂気の沙汰も金次第』は彼の作品中にも何度か使われている。ちなみに、星新一のそれが秀逸であった由。
[編集] ことわざパロディの例
()内は元のことわざ
- 泣く子は目立つ(泣く子は育つ)
- 雨降って地崩れる(雨降って地固まる)
- 腐ったら生ゴミ・腐ってもったいない(腐っても鯛)
- 犬も歩けば猫も歩く(犬も歩けば棒に当たる)
- 親しき仲にも借用書(親しき仲にも礼儀あり)
- 石橋を叩いて壊す(石橋を叩いて渡る)
- 知らぬが馬鹿(知らぬが仏)
- 東大最も遠し(灯台元暗し)
- 泣き面にハンカチ(泣きっ面にハチ)
- 花より現金・花より男子(花より団子)
- 寄らば大企業(寄らば大樹の陰)
- 苦節3秒(苦節3年)
- 井の中の井戸水(井の中の蛙)
- 蛙の子はおたまじゃくし(蛙の子は蛙)
- 瓜のつるには瓜がなる(瓜のつるには茄子はならぬ)
- とんびが卵を産む(とんびが鷹を産む)
- ちりも積もればじゃまとなる(ちりも積もれば山となる)
- 中学にも三年(石の上にも三年)
テレビ番組の名では、『渡る世間は鬼ばかり』(渡る世間に鬼はなし)という例もある。
なお、元になることわざがなくても、たとえば「赤信号 みんなで渡れば怖くない(ツービート)」などはことわざの形を踏襲しつつ内容は異質な物なので、この範疇に含まれるであろう。ちなみに、これをさらにもじったものに森毅の「一人で渡れば危なくない」がある。
[編集] ことわざパロディーを扱った書籍
- 『日本語ごっこ―ことわざウラ世界 特上』森真紀、まどか出版、2005年 ISBN 978-4944235261
- 『新迷解 ポケモンおもしろことわざ』げゑせんうえの、あさだみほ、篠崎晃一、小学館、2006年、ISBN 978-4092271036