さよりなパラレル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ウィキポータル

日本の漫画作品

カテゴリ

プロジェクト

『さよりなパラレル』（さよりなぱられる）は竹書房「コミックガンマ」に連載されていた竹本泉の漫画作品。マヤヤメルル＆イリリエレレを主人公にした小説も上下巻で発表された。

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] 概要

登場人物は基本的には主人公の岡島さより一人である。他には平行世界監視員である真上君、泥棒であるマヤヤメルル、イリリエレレ姉妹が登場するが、彼らが登場しない事もある。

[編集] 登場人物

ここに上げるのは、さより以外は比較的登場回数が多い者達である。

岡島　さより（おかじま　さより）: １５歳。静電気体質ではあるがごく普通の女の子、だったはずが冬の朝に雷に打たれ、地面と絶縁する靴を履いていた為かエネルギーが体内に蓄積される。それによりエネルギーが臨界に達すると平行世界を移動する、漂流する羽目に陥る。
真上シリーズ(しんじょうしりーず): 平行世界の監視員。大抵の世界にはいるが、同一人物ではない。
マヤヤメルル、イリリエレレ: 祖父が開発した、平行世界を自由に行き来できるマシンを使ってあちこちへ出没し、荒稼ぎする。; 一卵性の双子で見分けがつきにくく、何度も会うにも関わらずさよりは区別もつかなければ名前も最後まで憶えられなかった。マヤヤメルルは光り物が、イリリエレレは美術品が好き。; さよりがいた世界にも行った事があるらしく、宝箱にはゴジラの人形が入っていた。その世界を「石油ばかり使っている」とも表現していた。
アレックス: マヤヤメルル達が連れている執事型ロボット。執事型だけあって万能であり、何でもできる。

[編集] ストーリー

World１:王様とわたし（コミック１巻）

登校途中、さよりは突然雷に打たれてしまう。その瞬間、彼女が現れたのは何と空中、その瞬間目の前にあった男性の頭を蹴り上げてしまう！周りにいた人々、特にクーデターを起こされた直後だった王様は彼女を女神として持ち上げるが彼女には自分の置かれた状況がさっぱり理解できない。これって一体どういう事！？

深夜彼女の元へ訪れたのは付き人として彼女の側に置かれた真上君。彼から彼女はとんでもない事実を知らされる。

World２:かたいたまご（コミック１巻）

さよりが現れたのはロボットが支配する国。彼らは人間を恐れ、人間であるさよりを監禁してしまった。一体どうなるの？

World３:蜃気楼の砂（コミック１巻）

砂漠で倒れていたさよりを救ったのは王族の一人、ハシュムーだった。彼には妹と弟がいたが、何かこの兄弟達変……

World４:INTERMISSION（中休み）（コミック１巻）

タイトル通り何も起きません。ひたすらタンポポ畑です。もちろん真上君も現れません。

World５:帝国と盗賊～全２回～（コミック１巻）

出現した彼女の目の前に盗賊がいた。美術品を狙う盗賊が世の中を賑わす中、真上君と犯人を追うさよりは盗賊の捕虜となる。マヤヤメルル、イリリエレレが初登場。初めて前後編での展開。

World６:神の大きな口（コミック１巻）

彼女が今度訪れた国、そこはトカゲを神様とあがめる世界だった。平行世界の謎が少しだけ明かされる。

World７:ゲームプレーヤー（コミック２巻）

見渡す限り海海海。何と人類は海中で生活していた。そんな彼らの悩みは船等で航海する際に襲ってくる海獣で……

World８:アウトドアライフ（コミック２巻）

今度は見渡す限り遺跡だらけ。偶然他の世界から訪れていた一の谷博士と生活を共にするが、彼はさよりをおさんどとして使うばかり。マヤヤメルル達も登場。さよりの不思議な力が発揮されだす。

World９:とかげのしっぽ（コミック２巻）

今度の世界は、なんと地球が宇宙から飛来したとかげに侵略されていた。軍会議の真っ只中に落ちた為とかげ達と行動するが、彼らにはある秘密が……

World１０:スノウマン（コミック２巻）

見渡す限り雪雪雪……なのに何故か突然小屋が現れ、コーヒーセットが現れ…どうやらあちこち移動しているうち、さよりには突然何もない場所に物体を出現させる力が生まれてしまったようで。さてさて困ったものだ。

World１１:仔猫の気持ち（コミック２巻）

「結婚したくない」そう悩む女の子の相談に乗るさより。しかし彼女の顔はどう見ても真上君。なんとも複雑な気持ちになってしまう。

World１２:小鬼の森（コミック２巻）

「アウトドアライフ」のように一の谷先生登場。今回は真上君が登場するが監視員ではなく普通の一般人。二人と出会った場所は地元では「小鬼の森」と呼ばれる為、さよりは小鬼と呼ばれる事に。

World１３:女神の午睡（コミック３巻）

彫刻家・ハリウスの家へ落下したさより。温泉へ入るのを日課とするが、彼のモデルにもなる。彼の名はその世界ではかなり知られているが、最近その作品が盗まれる被害が多発している。そしてさよりがモデルとなった新作もまた盗まれようとしていた。マヤヤメルル達が登場。

幕間:老人とコーヒー（コミック３巻）

初めてさよりが一切登場しない。マヤヤメルル＆イリリエレレ達の日常。彼女達がどうやって平行世界移動をしているかが明かされる。

World１４:塔のある空～全４回～（コミック３巻）

移動したはいいが全く人と会わなかったさより。そんな彼女の目の前に現れたのはトラを連れた女性、オオミズナギドリ冠島だった。その世界では２人の政治家が争っていて、大きな塔が建設されていた。

World１５:広い空間（コミック３巻）

移動するや否やいきなり麻酔銃で撃たれるさより。出会った住人南セリスト・マースによると、第一世界と呼ばれるその世界には１５人しかおらず、他の平行世界から移住という形で住んでいるとの事。物書きでもある彼に協力し、自分の体験談を話して聞かせる。

World１６:てるてるぼうず（コミック３巻）

ひたすら降り続く雨雨雨……暇で仕方がない彼女の横にはまたもや何故かカラオケ機器が。雨宿りにやってきたマヤヤメルル達と共にカラオケ大会に興ずるのであった。

World１７:宮廷魔法使い～全２回～（コミック３巻）

突然空中に現れた事により「魔法使い」とされたさより。わがまま皇女さまに振り回される日々が続く。

平行世界管理者として真上君だけではなく、留琴（るーこと）が登場。さよりにそっくり。

World１８:羊の雲（コミック４巻）

今度は羊飼いの目の前に落ちてきたさより。羊飼いの少年と数日過ごした後、再び移動する。

World１９:半分ずらし・半分もどし（コミック４巻）

さよりが移動した今度の世界は明らかに変だ。物はちゃんとそこにあるし人もいるのだが、音は聞こえない人や物に触れない、ぶつからない。偶然にも同じ境遇に立たされた少年と出会い話を聞くと、どうやら平行世界を研究中、誤って紙一枚隔てた「その世界」へ移動してしまったらしいのだが……。ちゃんと元の世界にもどれるのか？？

World２０:若隠居（コミック４巻）

新しく移動してきた世界は家の中。そこに住む海深度森林山野によると、数日後に迫った終身統領への着任の儀式までその屋敷に閉じこもっていなければならないらしい。そんな彼の命を狙ってやってくる刺客を撃退しながら、さよりは「上に立つ者だって料理ぐらいしなさい！」と料理を仕込む。

幕間:オークション（コミック４巻）

ある闇のオークション会場で、比較歴史学を学ぶエトヤ・コロニゲゲルウは不思議な雰囲気をもった女性と出会う。二言三言会話を交わすが警察が突入してきた事により、そのまま別れる。

珍しくイリリエレレが一人で登場。

World２１:頭上の支配者～全５回～（コミック４巻）

新しい世界に移動するや否や、その世界の住人に拘束されるさより。偶然一緒に移動してきたエトヤと共にある建物に入ると、そこにはマヤヤメルルが一人でいた。どうやら一人でつかまってしまったようなのだが、この世界は誰の目にもおかしい。

平行世界の第３世界に当たるにも関わらず、突然他の世界との交流を断ち切った事、社会にはある日突然善意にあふれた人々が出現した事。これって一体……？

最後、マヤヤメルル達を黙って逃がす代わりにさよりの元の世界の情報を提供してもらう。

World２２:さよりなパラレル（コミック４巻）

さよりは目を覚ました、自分が元いた世界で。あの後平行世界の研究で彼女の元の世界が判明し、帰ることが出来たのだ。しかしその代わり今度は彼女がその世界の監視員として、自分の世界を逐一報告しなければいけない。

支給された相棒と共に彼女の静かな、しかしにぎやかな世界が始まる。

[編集] 単語

平行世界と中央世界: 世界にはいくつもの平行した世界が存在する。それがこの物語の大筋である。中央世界とは「自力で平行世界を行き来する技術をもった世界」の総称で、分かっているだけでも１１の世界が存在する。中央世界が独自で見つけた世界を衛星世界と呼び、それぞれが監視をしている。; 大抵の世界にもいる人、思想的にも問題のない人間が選ばれ、それぞれの監視員となり至急された相棒と共にその世界の安全を監視する。「見つかった世界」で「大抵の世界にいる人」が選ばれる為、監視員が存在しない世界もある（見つかっていない世界等）。