たわみ翼
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たわみ翼とは、エルロンの機能を兼ね備えた主翼である。エルロンを持たない固定翼機において、たわみ翼はそれ自体がたわむ事によりエルロンの機能を果たす。ねじり翼、ひねり翼などとも言う。
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[編集] 歴史
たわみ翼はおそらくライト兄弟によって実用化された。彼らはこれにより飛行機を(ピッチ、ヨーだけではなく)ロール方向でも制御可能にした。たわみ翼による三軸制御は兄弟の成功のキーポイントの一つであり、1900年代後半にはヨーロッパの航空界でいくらかの模倣者を生んだ。しかし、より優れた特性を持つエルロンが登場したため、たわみ翼は用いられなくなった。
- たわみ翼を備えた固定翼機
- ライト兄弟の1号-3号グライダー(1900年-1902年)
- ホワイトヘッドのナンバー21(en:Number 21 (plane))(1901年)
- ライト兄弟のライトフライヤー系列(1903年-)
- ルイ・ブレリオのブレリオXI(1908年)
- A・V・ローの小型三葉機(1909年)
- ドイツの実用機(軍用機)タウベ(1910年)
など
[編集] 欠点
- 機構が(エルロン方式に比べると)やや複雑になる。
- 可撓性を持たせる必要上、翼を強く(または厚く)作る事ができない。
[編集] 関連項目
- ギャローデット・エアクラフト
- ライト兄弟
- エルロン
- エレヴォン
[編集] 参考資料
- 根本智『パイオニア飛行機ものがたり』オーム社、1996年