でぶ専
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デブ専(でぶせん、英:Fat fetishism)とは「でぶ専門」の略で肥満体型の人に性的魅力や欲求を感じる嗜好を指す俗語。
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[編集] 概要
ルノアールの裸婦のようにかつては豊満な体型が好まれた時代もあったが、近代になるとファッションモデルのようなスリムでスレンダーな体型が好まれるようになり、雑誌やTVなどマスメディアに登場する著名人やタレントも痩せた人が多い。その中にあって、太っている異性に魅力を感じることが特別なこととされるようになり、このような別称が存在している。もともとは男性同性愛者の中で多用されたスラングだったが、男女間でも用いられ一般化した。
[編集] 男女間
海外でプランパー(Plumper)と呼ばれる太った女性への嗜好は、海外では比較的人気のあるジャンルで、肥満女性専門の風俗店やアダルトビデオ等も販売されている。国内では、かなり際物としてマニア向けの専門誌やアダルトビデオがごく希に発売される事もあるが、海外ほど豊富ではない。プランパーの定義も曖昧で肥満とは言えない巨乳女性や、多少豊満な女性を指す場合がある。近年ではぽっちゃり体型を好む「ぽちゃ専」という言葉も生まれている。また「樽ドル」と呼ばれる多少豊満なグラビアアイドルも存在している。
一方で太った男性を好む女性も存在しているが、一般的に太った男性はマイナスイメージで見られることが多く、太っているから好まれるというよりは内面的な部分に魅かれて、という説明がなされることが少なくない。
[編集] 男性同性愛者間
ゲイの世界では人気のあるジャンルでラグビーや柔道、相撲等のスポーツで培った大きな体型から、純粋に肥満(体脂肪率の高い)体型の男性全てを総称して「デブ専」と括る場合も多い。
ゲイの世界で言うところの「デブ専」は一般人の考える肥満よりも高い肥満度を指す場合が多いが、デブの定義も人によって異なるため近年は細分化されて扱われる傾向がある。すなわち、がちむち(筋肉質であり、かつ体脂肪率も高い。重量級柔道選手や力士のような体型)、ぽっちゃ](筋肉質ではなく、体脂肪率が高い)と大きく2つに分けられる。筋肉質であるという点に着目すれば、さらにSG=スーパーがっちり(ボディビルダー並みの筋肉質、ただし体脂肪率は低い)、体重の数値に着目すれば「みけ専(体重が3桁=みけた、すなわち100kg以上)」という呼び名もある。
ゲイのデブ専向け専門誌として「SAMSON」が有り、アダルトビデオは異性愛モノとは異なり数社から発売されている。体毛が濃くずんぐりした体型(筋肉質であるか無いか両方含めて)の男性を好む性的嗜好を熊専という。現在は体毛に限らず、顔面に髭を蓄えた人(必ずしも体毛が濃いとは限らない)を含めて「熊」と総称する傾向がある。髭の蓄え方は「口の周りのみの髭(ラウンド)」や「顔全体に髭を蓄える(フルフェイス)」などさまざまなパターンがある。これらを男性に対するフェティシズムも含めてを熊専という。動物の熊に似て愛くるしい風貌になり、ゲイの間では顔面に髭を蓄える人は多い。以前は髭(この場合の髭は主に唇の上にのみ髭を蓄えるタイプ)はゲイを示唆すると考える人がいたが、現在は日本社会にも顔面に髭を蓄えることをファッションの一部として捉える傾向がある。
[編集] 女性同性愛者間
メディアへの露出が極端に少ないために女性同性愛者のコミュニティ以外では話題にのぼることはほとんどない。