アナログ耐性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アナログ耐性(あなろぐたいせい)とは、主に生物の変異株が持つ、フィードバック阻害を司る代謝系の生産物に類似の物質(アナログ)の存在下でも生存できる性質。アナログの存在下で生物を培養した場合、通常は代謝系の一部がアナログによってフィードバック阻害を受けるため、生存に必要な物質を生産できずに死滅してしまうが、アナログ耐性を獲得した変異株はアナログによるフィードバック阻害を受けないため生存が可能であり、さらに通常よりも多くの物質を生産できる。このようにして得られた変異株はアナログ耐性株と呼ばれ、インスリン等の薬剤の大量合成や、うまみ成分の多い稲・とうもろこし等の作物の品種改良、香気成分の多い清酒酵母の開発などに利用されている。
カテゴリ: 酵素 | 生化学 | 生物学関連のスタブ項目