アフリカン・シクリッド
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アフリカン・シクリッドは、スズキ目 シクリッド科(カワスズメ科)の魚のうち、アフリカ産のものを指す。
特に大地溝帯上にあるマラウイ湖、タンガニーカ湖、ヴィクトリア湖ではシクリッドの種分化が進んでいることで知られる。ここに掲げられた3つの湖は、地理的には近接しているが、おのおの固有の歴史を持ち、それぞれが独特の形状・色彩・生態をもつ固有種を育んでいる。
これらのシクリッドは現地では重要なタンパク源として食用にされるが、鮮やかな体色や多種多様な生態から熱帯魚としても人気が高い。これらの湖の水質は弱アルカリ性を呈しているため、水槽内でアフリカン・シクリッドを育てる場合、pH 低下を予防する目的で、ろ材にサンゴ砂を混ぜると良いとされる。
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[編集] マラウイ湖産
海水魚と見間違えるほどの強烈なメタリックブルーをした種類やマウスブルーダーと呼ばれる独特の子育てを行う種類がいる。また、現地語でムブナと呼ばれる岩についた藻類や微小生物を主食とする魚種は、ブルー、イエロー、ピンクなどカラフルなものが多く、中にはカメレオンシクリッドと呼ばれ転々と色彩を変化させるものもある。また同様に現地語でウタカと呼ばれるものは、プランクトン食の特徴をもつ。
- イエロー・ピーコック Aulonocara baenschi
- 成魚は12cmほど。ポピュラーなアフリカン・シグリットの一つで、体は美しい黄色をしている。
- スキアエノクロミス・フライエリー Schiaenochromis fryeri
- 成魚は 15 cm ほど。マラウィ・シクリッドの代表種。オスの婚姻色は、ギラギラとしたメタリックブルー。
- キルトカラ・モーリー Cyrtocara moorii
- 成魚は 20 cm ほど。頭部が、イルカのように飛び出ている。
- ディミディオクロミス・コンプレシケプス Dimidiodhromis compressiceps
- 成魚は 20 cm を超える。扁平な体に、極端な馬づらな顔をしている。フィッシュイーター。
- カンプソクロミス・カエルレウス Champsochromis caeruleus
- 成魚は 30 cm を超える。細長い体をもつ。マラウィ湖では、比較的水深の深いところに住む。魚食性が強い。
[編集] タンガニーカ湖産
タンガニーカ湖は、リフトレイク群の中でも最古の歴史を持つ。体色はマラウイ湖産ほど派手ではないが、シェル・ブルーダーなどの小・中型種が中心であるが、フロントーサなど大型種にも魅力的なものがある。
- キフォティラピア・フロントーサ Cyphotilapia frontosa
- 大きくなると 30 cm を越える大型種。オスは、頭部のコブが突出し、迫力が出てくる。
- トロフェウス・ドゥボイシー Tropheus duboisi
- 成魚は 10 cm 強。幼魚のときは、黒地にブルーの小スポットをちりばめた肌をしている。成長するにつれ、スポットは消失し代わって、胴に白く太いバンドが一本現れる。
- アルトランプロローグス・コンプレシケプスAltolamprologus compressiceps
- 成魚は12cmほど、オレンジの地に茶色の縦縞模様という体色もきれい。
[編集] ヴィクトリア湖産
数多くの固有種が存在し、「ダーウィンの箱庭」として有名だが、観賞魚としてはあまり国内に輸入されていないようである。また近年では、ナイルパーチという2mを超す肉食魚を食用のために移入したため、固有種が激減している。ナイルパーチはスズキ亜目アカメ科に属し、食用、観賞用として日本へも輸出されている。