アブステンション作戦
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アブステンション作戦(Operation Abstention)は第二次世界大戦中のイギリス軍の作戦の一つ。これは魚雷艇の基地とするためにドデカネス諸島の島のひとつ、カステロリゾ島の占領を目的とした作戦で、1941年2月に実行されたが失敗に終わった。
2月23日にクレタ島スダ湾でコマンドー部隊を乗せた駆逐艦ヘレワードとデコイが軽巡洋艦グロスターと共に翌日の夜にカステロリゾ島に着き部隊を上陸させた。上陸の際、イタリア軍による抵抗は少なかったが、イギリス軍の侵攻に対しイタリア軍もすぐに反撃を開始した。25日早朝海兵隊を乗せてカステリゾ島に着いた砲艦レディバードは空爆を受けて命中弾1発を受けて損傷した。海兵隊は一旦は上陸したが、不要とされレディバードに戻った。
イタリア軍は砲撃や空爆を行い、その支援の下で27日にはイタリア軍はロードス島から増援部隊を島に上陸させた。同日イギリス軍の増援部隊を乗せた駆逐艦デコイとヒーローが軽巡洋艦ボナヴェンチャー、パース、駆逐艦ヘイスティ、ジャガーを伴ってアレクサンドリアを出港した。この部隊は28日朝にカステロリゾ島に着いたが状況はイギリス軍にとって不利となっており、イギリス軍は島を放棄して撤退した。島の周辺にはイタリア海軍の駆逐艦クインティノ・セラ、フランチェスコ・クリスピ、水雷艇ルポ、リンスなどか展開しており、イギリス海軍部隊との間に戦闘があったが、双方とも損害はでなかった。