アレヴィー派
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アレヴィー派(Alevî)は、トルコおよびブルガリアのトルコ人・クルド人の間にみられるイスラム教(イスラーム)の一派。第4代正統カリフのアリーを崇敬するため、「アリーに従う者」を意味するアレヴィーと呼ばれる。同一語源の名を持つシリアのアラウィー派との関係については不明の点も多い。
アリーを崇拝するものの、アレヴィー派がシーア派からどのように分派してきたか、あるいはそもそもシーア派に連なる宗派なのかは明らかではない。トルコやバルカン半島に広がり、一般には神秘主義教団に分類されるベクターシー教団と教義などの面で共通するところが多く、ベクターシーとアレヴィーはアナトリア半島の土俗的なイスラム信仰を同一の根源とする一体のセクトであるとも考えられる。
アレヴィーはオスマン時代からさまざまな弾圧を受けており、トルコ共和国でも多数派のスンナ派から異端視されることがしばしばあるが、アナトリア東南部を中心に一定の勢力を保っており、その信者数はトルコ国民の1割あるいは2割を占めるとされる。アレヴィー派はトルコにおいては宗教的・民族的マイノリティであることから、世俗主義派・改革派を支持する傾向がある。