ウォータージェット
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ウォータージェット (water jet) とは加圧された水を0.1mm~1mmほどの小さい穴などを通して、得られる、ビーム状態の水のこと。これを用いて切断などの加工を行うことをウォータージェット加工、ウォータージェット切断と言う。また、刃のように切断されるためウォーターカッター (water cutter) とも言われる。水流の速度を落とし、金属面やガラス面についた汚れを落とすこともできる。ただし、「切る」というよりは「吹き飛ばす」ととらえるほうが正しいイメージである。水流の速度の多くは500~800m/s程で、高速なものはマッハ3に達する。
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[編集] 特徴
- 加工部に熱が加わらないので、熱に弱い物質の加工が可能である。
- FRP(プリント基板)、紙、ゴムシートなどの軟質材、またその他の非金属材料に有効である。
- 手術などの医療用途にも用いられる。
- 水は比較的管理がしやすいため、維持費も安くすることができる。
- 精密切断が可能である。
- 3次元加工がおこなえる。
[編集] アブレシブジェット加工
水だけで加工するもの以外に、水に何らかの研磨材を添加して加工するものをアブレシブジェット加工という。
アブレシブジェットは、材料を選ばないところが大きな特徴である。鉄筋コンクリート、ガラス、鉄鋼などから、宝石、ダイヤモンドまでも切断可能である。また、複合材料の加工や分厚いものの加工も可能である。
[編集] それぞれの問題点
- ウォータージェット加工
- 硬質材の加工には向いていない。
- 分厚いものの加工をおこなうと、ノズルの先端から離れるにしたがって、加工精度が落ちる。
- アブレシブジェット加工
- ランニングコストが高い。
- 騒音が大きい。
- 研磨剤の後処理に費用がかかる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 株式会社スギノマシン - ウォータージェット切断とは(ウォータージェット切断システムの代表的メーカー)