ウミスズメ科
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ウミスズメ科 Alcidae | ||||||||||||
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![]() ハシブトウミガラス Uria Lomvia |
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分類 | ||||||||||||
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下位分類 | ||||||||||||
(本文参照) |
ウミスズメ科(Alcidae)は、鳥類のチドリ目の中の科の一つ。カモメ科・ウミスズメ亜科とする分類もある。
ウミガラス、ウミバト、エトピリカ、ウミスズメなどが含まれ、チドリ目の中でも特に海での潜水や海上生活に適応したグループである。
[編集] 概要
すべてが北太平洋、北大西洋、北極海とその縁海に分布する海鳥である。寒帯・亜寒帯を中心に分布していて、温帯に分布するのはカンムリウミスズメくらいである。
現生種は全長15cmほどしかないコウミスズメから全長45cmほどのハシブトウミガラス、オオハシウミガラスまで計22種が知られるが、1844年に絶滅したオオウミガラスは全長80cm、体重5kgに達する大型種だった。
体は黒、灰色、褐色などの地味な体色だが、種類によっては頭部周辺に様々な飾り羽を持つ。基本的にオスメスとも同じ羽色で、外見から性別を判断するのは難しい。
脚が体の後方についていて、翼は短い。くちばしは種類によって様々な形状をしている。これらは海中に潜水して魚類、甲殻類、軟体動物などの小動物を捕食するために適応したものといえる。ただし脚が体の後ろにあるため、岩の上で休息する時などはペンギンのような直立した姿勢となる。また、飛ぶ時は短い翼をはためかせて海面近くを直線的に飛ぶ。非繁殖期は外洋の海上で過ごし、繁殖期以外に陸上にあがることはほとんどない。
繁殖時には海に面した断崖に大きな集団繁殖地(コロニー)を作って、カラス類や大型カモメ類、イタチなど肉食動物の来襲に備える。巣の形態は崖の上の土に穴を掘るもの、岩の隙間に巣を作るもの、巣を作らず地面で直に産卵・育雛を行うものに分かれる。このうち巣穴を掘るものはヒナが充分に成長するまで巣立ちしないが、岩の隙間や地上で営巣するものはヒナが飛べないうちに巣立ちし、海上でヒナを育てるものもいる。
[編集] 分類
- ヒメウミスズメ属 Alle
- ヒメウミスズメ A. alle
- ウミガラス属 Uria
- オオハシウミガラス属 Alca
- オオハシウミガラス A. torda
- オオウミガラス属 Pinguinus
- ウミバト属 Cepphus
- ツノメドリ属 Fratercula
- ウトウ属 Cerorhinca
- ウトウ C. monocerata
- エトロフウミスズメ属 Aethia
- マダラウミスズメ属 Brachyramphus
- アメリカウミスズメ属 Ptychoramphus
- アメリカウミスズメ P. aleuticus
- ウミスズメ属 Synthliboramphus
ハジロウミバト Cepphus grylle |
エトピリカ Fratercula cirrhata |
エトロフウミスズメ Aethia cristatella |
マダラウミスズメ Brachyramphus marmoratus |