エンゲル係数
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エンゲル係数(エンゲルけいすう、Engel's coefficient)は、家計の消費支出に占める飲食費のパーセントのこと。一般にこの係数が高いほど生活水準は低いとされる。ドイツの社会統計学者エンゲルが1857年の論文で発表した。これをエンゲルの法則という。エンゲル係数の高低が、生活水準を表す指標となっているが価格体系や生活慣習の異なる社会集団の比較には必ずしも役だたない。
[編集] 第二エンゲル係数
更に、炭水化物が主要栄養素である食物(具体的に言うと穀物類)の購入・飲食の支出費が飲食費総支出に占める割合を「第二エンゲル係数」と呼ぶ。この係数が高いほど、同じく生活水準は低い(主食ばかり多く、副食は極端に少ない食生活状態)事を示す。
[編集] エルンスト・エンゲル
エルンスト・エンゲル(Ernst Engel, 1821年 - 1896年)は、社会統計を体系化したドイツの統計学者、経済学者。
ドイツのドレスデンの生まれ。プロシア王国の当局局長となり、官庁統計を整備し、統計教育に努めた。家計の中でしめる食費の割合(エンゲル係数という)が貧富の階層差に密接に関連することを指摘した。
「エンゲルの法則」で有名。著書『人間の価値』『ベルギー労働者家族の生活費』など。