エンペラー (バンド)
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エンペラー(Emperor) は、初期ブラックメタルを代表するノルウェーのバンド。複雑なギターリフと厚いキーボードの音を特徴とし、特にキーボードの使い方に関しては、多くのブラックメタルバンドが影響を受けている。アルバム『IX Equilibrium』以降は、ブラストビートを主体としつつも、それまでと違い、ギターをスタッカートに刻むようになり、またキーボードの使い方も従来より大胆になったことで、映画音楽のような曲が増えた。エンペラーの音楽性の変化については評価の分かれるところで、賛否両論ある。
バンドは1990年代を通して活動していたが、2001年に解散を発表する。2005年には活動を再開し、フェスティバルを中心にライブを行っている。
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[編集] 略歴
エンペラーはデスメタルバンドThou Shalt Sufferを前身として、Samoth(ドラム)、Ihsahn(ギター/ボーカル)、Mortiis(ベース)の3人により、1991年、テレマルク県のノトデンで結成される。1992年にデモ『Wrath of the Tyrant』を録音し、キャンドルライト・レコードとの契約を結ぶ。その後、Samothはドラムからギターに移り、Faustが新たなドラマーに迎えられる。
エンペラーはエンスレイヴド(Enslaved) とのスプリットをリリースし、さらに初のフルレンスとなる『In the Nightside Eclipse』の録音に移るが、1993年、Burzumのヴァーグ・ヴァイカーネスの逮捕に端を発するインナーサークルのメンバーの相次ぐ逮捕により、SamothとFaustも懲役刑を科せられる。メンバーの大半を失ったエンペラーは、活動の休止を余儀なくさせられるが、出所したSamothと、元エンスレイヴドのTrym(ドラム)、Alver(ベース)を新たに加え、1995年に活動を再開する。
その後エンペラーはツアーを重ねながら、EP『Reverence』、フルアルバム『Anthems to the Welkin at Dusk』をキャンドルライトよりリリースする。1998年にベーシストのAlverが脱退した事で、以後はイーサーンがベースも兼任するようになる。1998年頃からIhsahnはPeccatum、Samothはザイクロン(Zyklon) を始めるが、エンペラーはその後も2枚のアルバムを録音している。しかし2001年に、遂にエンペラーは解散を発表する。
2005年のオスロでのライブ出演によって、エンペラーは解散時のメンバーのまま再結成を果たす。以後アメリカやヨーロッパでコンサートツアーを行ったほか、Wacken Open Airなどのフェスティバルにも出演をしている。
[編集] メンバー
[編集] 現在のメンバー
- ボーカル/ギター/キーボード - イーサーンIhsahn (1991-2001, 2005-)
- 本名Vegard Sverre Tveitan
- ギター - サモス Samoth (1991-2001, 2005-)
- 本名Tomas Thormodsæter Haugen
- タリムと共に、ザイクロン(Zyklon)を結成し、現在も活動中。
- ドラム - タリム Trym (1995-2001, 2005-)
- 本名Kai Johnny Mosaker
- サモスと共に、ザイクロンを結成し、現在も活動中。
[編集] 元メンバー
- ベース - アルヴァー Alver (1995-1998)
- 本名Jonas Alver
- ベース - チョルト Tchort (1993-1994)
- 本名Terje Vik Shei
- ドラム - ファウスト Faust (1992-1993)
- 本名Bård G. Eithun
- ベース - モルティス Mortiis (1991-1992)
- 本名Haavard Elefsen
- 現在はソロ・アーティストとして活動中。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] アルバム
- 1994 闇の皇帝 - In the Nightside Eclipse
- 1997 闇の讃美歌 - Anthems to the Welkin at Dusk
- 1998 闇の黙示録 - IX Equilibrium
- 2001 闇の終焉~ラストエンペラー~ - Prometheus: The Discipline of Fire and Demise
[編集] ライブアルバム
- 2000 闇の晩餐 - Emperial Live Ceremony
[編集] 映像作品
- 2000 Emperial Live Ceremony