オイラーの五角数定理
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オイラーの五角数定理(オイラー(Euler)のごかくすうていり)とは、単刀直入には次の無限積が(本質的に)テータ級数を与えるという内容である:
右辺の級数の x のべきに五角数が現れるのでこの名がある。この級数がテータ級数になることは、x1 / 24を掛けてみればわかる:
定理はオイラーが初めて発見し、証明を与えた。この発見には数の分割の研究が関係している。
オイラーは分割数p(n)を研究するうちに、次の母関数(生成関数、generating function)を発見した:
さて上式両辺に をかけて、x のべきの係数を比較することにより分割数p(n)の漸化式を得ることができる:
となるから、n≧1 に対して
- この定理は、他の多角数に対する次のような一般化が知られている:p>1 に対して
これは、いわば「(p+2)角数定理」とでも言うべき定理である。この公式に含まれていないが、三角数に対しても次のような類似の定理がある。
[編集] ヤコビの三重積による証明
q = x3 / 2,y = − x − 1 / 2と置き、ヤコビの三重積の公式により
一般にはq = xp / 2,y = − x − (p − 2) / 2と置けば良い。 三角数については
を考える。ヤコビの三重積の公式により
これをyで微分し、虚数単位を代入すれば
無限和のまま項別にyで微分し、同じく虚数単位を代入すれば
従って
これにq = x1 / 2を代入すれば三角数の恒等式を得る。
[編集] 組み合わせによる証明
英語版を参照のこと。