オモト
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オモト(Rohdea japonica (Thunb.) Roth)とは、中国から日本の暖かい山地に自生するユリ科の常緑多年草。日本では関東から沖縄にかけての山地、特に西日本に多く自生状態で生育し、観葉植物としても鉢植えで栽培される。
[編集] 特徴
革質の分厚い針のような形の葉が根元から生え、四十センチほどの大きさに育つ。夏ごろ葉の間から花茎を伸ばし淡い黄緑の小さな花を円筒状に密生させる。秋ごろにつく実は赤く艶のある液果で鳥が好む。赤い実と緑の葉の対照が愛され、俳諧では秋の季語。
古くから中国医学ではロデキシンを含む根茎を強心剤や利尿剤として使っていた。しかし、非常に危険な行為であり、死亡することすらある。薬草というより毒草と考えた方がよい。
江戸中期に日本で爆発的に流行し斑が入ったものや覆輪のあるものなどさまざまな種類が作出された。これらの品種を含む古典園芸植物としての万年青(おもと)は現在も多くの品種が栽培されている。