クイズ悪魔のささやき
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クイズ悪魔のささやき(くいずあくま-)とは、1994年4月13日から1996年5月8日までTBS系列で水曜20:00~20:54に放送された視聴者参加型クイズ番組。
司会は、和田アキ子と古舘伊知郎。
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[編集] 番組概要
挑戦者がビンボー自慢をして、最高100万円の獲得を目指す番組。
- ルール
- クイズは第1ステップと第2ステップに分かれている。
- まず、「○○ビンボー」と銘打たれたビンボー人(挑戦者)が、「どうしてお金が必要なのか」という話をして、観客に支持を求める。
- 第1ステップの賞金額は、観客100人のうち、共感・納得して支持した人数×1万円となる。
- 支持者が0の場合はその時点で失格となり、安斎さんのアドバイスを聞くこともできない。
- クイズに正解すれば賞金を獲得し、第2ステップに挑戦する権利が与えられる。
- 第2ステップに成功すれば、第1ステップの賞金額に関わらず100万円獲得となる。
- 第2ステップに挑戦しない場合は、第1ステップで獲得した賞金を持ち帰ることが出来る。
- 第2ステップのクイズは、第1ステップより多少難易度が上がる。
- 正解すればスタジオに大量の紙吹雪が降り、挑戦者は100万円を獲得。
- 不正解の場合は賞金は0円になった。
- クイズに不正解で賞金を獲得できなかった挑戦者には、残念賞として安斎さんの開運アドバイスと、番組特製・金の打ち出の小槌の開運お守りを贈られた。
- 番組の基本的な流れ
最初に「そんな下らない内容で出るな!」と言いたくなるようなビンボー自慢の人が登場した。当然第1ステップでの支持は少ないため、第2ステップで100万円を目指すことが前提となる。但し、第1ステップで支持が0で失格となるケースもあった。番組の後半では、例えば、先天性障害を持っており手術費用が100万円近くかかる、といったシリアスな内容のビンボーさんが登場した。ここではいきなり第1ステップで70人以上(場合によっては90人以上)の支持を得たこともよくあった。
[編集] 出演
- 司会
- その他の出演者
[編集] 番組の歩み
1992年3月に「わくわく動物ランド」が終了してからこの番組が放送されるまでの都合2年間、TBS水曜20時枠は、裏番組で日本テレビの「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」に苦戦していた。このため、「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」の裏で放送していたTBSの番組は、クイズ番組を避けて別路線の番組を放送していたものの、ことごとく撃沈していた。TBSの水曜20時枠再建を託された、秋元康やTBSの田代冬彦プロデューサーなどが検討を重ねた結果、ここはあえてクイズ番組をぶつけようと提案。しかし、正統派のクイズ番組でいけば、「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」に撃沈するのが目に見えているとして、人々の不幸な境遇を前面に押し出したクイズ番組を企画。司会には和田アキ子(同枠での出演は「おちゃのこサイサイ」以来)と、ちょっと変わった企画の番組の司会をやらせたらお手の物だった古舘伊知郎(同局の出演は「Goodジャパニーズ」以来)を起用し、「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」に挑んだ(ちなみに、古舘は「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」の初代司会者である逸見政孝が胃癌の闘病のために入院した際に店長代理として出演したこともある)。
第1回放送の視聴率は12.9%とそこそこの結果だった。その後、日本テレビが野球中継により「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」が休止になることが多く、その裏で視聴率を着実に伸ばした(しかし、当時はJリーグブームでもあり、日本テレビが巨人戦中継の裏でTBSが横浜マリノス主催の試合や、逆にTBSが横浜ベイスターズ主催で巨人が相手となる試合の裏で日本テレビがヴェルディ川崎の主催試合を組んでいた事もあり、両番組とも休止された事もあった)。そして、開始から2ヶ月弱の1994年6月に21.3%を記録(この日は日本テレビが野球中継)、見事にTBS系の水曜20時は再建したのだった。
「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」側も黙って見過ごしているわけではなく、1994年10月以降「新装開店!SHOW by ショーバイ!!」としてリニューアルし、「新装開店!SHOW by ショーバイ!!」と「クイズ悪魔のささやき」は1994年12月までは、ほぼ互角の勝負をしていた。しかし、1995年に入ると「新装開店!SHOW by ショーバイ!!」が司会者に久本雅美を加え、番組内容を変更するなどのリニューアルを図ったもののこれがことごとく失敗。このことにより、同年3月以降は「クイズ悪魔のささやき」が常にリード、逸見が司会を務めていた「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」時代の最盛期には20%以上を記録していた「新装開店!SHOW by ショーバイ!!」は完全に勢いを失った。
「クイズ悪魔のささやき」は最盛期の勢いがなかったものの、15-16%の視聴率を安定して確保していた。しかし、番組改編期でもない、1996年5月8日に「クイズ悪魔のささやき・秋まで冬眠スペシャル!!」(視聴率16.2%)をもってレギュラー放送を終了した。ライバルで1995年10月に再リニューアルした「新装開店!SHOW by ショーバイ2」よりも先に終了したが、この背景には苦情の多さ、収録時間の長さなどによるスタッフとの考えの相違から司会の和田・古舘が終了を要望したなどの複数の理由があげられる。しかし、この年の秋には番組が復活することはなかった。
その後、和田・古舘の司会コンビは輝く日本の星!→しあわせ家族計画→オフレコ!と続いた。
面白いといった意見もある中で、紙幣カウンターで紙幣の枚数をカウントしているところを映したり、安易に賞金が与えられることから、視聴者からの批判・抗議も多く、当時子供に見せたくない低俗番組にこの番組がランクインしていた。
番組終了して約4年後の2000年3月に「クイズ悪魔のささやき2000」として一夜限りの復活があった。
[編集] クイズの種類
クイズに関しては、ほぼぶっつけ本番で登場するため予測不能であり、巡り合わせの運の要素もプラスされる。
- 広辞苑クイズ
- 古舘が広辞苑である言葉を引き、その意味を読み上げるので、何という言葉を引いたのかを答える。想像力を必要とする。
- 古今東西NGワード
- 文字通り、古今東西と同様に、お題にそった答えを時間内に規定数言えればクリア。しかし、事前に設定されたNGワード(例:「い」が含まれる言葉)を言ってしまうと失格。
- 最後の一葉
- 答えが複数ある問題(いわゆる一問多答クイズ)が出題され、古舘がその答えを1つ残して全て読み上げるので、残った最後の1つを当てる。知識は勿論、古舘の読み上げにあわせてアシスタントが解答者の近くで風船を割るので、その音や衝撃に耐える集中力が必要となる。過去に「コンドームビンボー」が出演したときの出題では、一般的なゴム風船の代わりにコンドームをふくらませて風船の様にした物を用いていた。
- クイズ!中に入れてよ
- ある2~3文字の言葉の中に1文字入れ、意味の通じる言葉を作る。それを時間内に一定のノルマ数を答えればクリア。瞬時のひらめきを要する。
- 例:「さ○ご」・・・さんご、さいご(最後)、さかご(逆子)
- クイズ!パニック野郎
- 「かみ」や「くろ」など、指定された言葉で始まる(または終わる)フレーズを、時間内に一定のノルマ数を答えればクリア。瞬時の発想とボキャブラリーが要求される。
- 例:「かみ」で始まる言葉・・・髪の毛、神様、仮眠 など
- ピークイズ
- あるモノについての街頭インタビューVTRが流される(その言葉はVTRでは「ピー」の音でかぶせられている)ので、VTRを手がかりに何についてのインタビューかを当てればクリア。想像力を要する。一回だけ、「イビキビンボー」のときに、「ピー」の部分をそのビンボー人のイビキ音に替えた「グークイズ」もあった。
- クイズ!ひとりにしないで
- 準備として、解答者は「カンニング防止ヘルメット(音が聞こえないようにするためと周囲を見えなくするため)」を装着する。観客100名に対し、「○○と言えば?」というようなアンケートクイズを出題。観客がフリップに回答を書いた後、古舘が解答者に対し同じ問題を出題するので、解答者は口頭で答える。解答者と同じ答えだった観客は次の質問にも参加するが、違う答えだった観客は着席し、以降の問題に参加しない。これを繰り返し、3問出題後、1人でも観客が残っていればクリアとなる。当然、観客が全員着席したら失格。観客の傾向に合った、一般的な解答が求められる。
- 6面キューブ
- 解答者の頭上から、各面に1文字ずつ文字の書かれた6面キューブが落ちてくる。そのキューブに書いてある文字を並べ替えると言葉になるので、一定時間内に読み解くことができれば正解。30秒で2つ正解すればクリア。ちなみに、「オールスター感謝祭ビンボー(オールスター感謝祭で使われるキーパッドを作るための資金目的で出演)」が出たときは、クイズ中のBGMが通常のものではなく、オールスター感謝祭のシンキングタイムのBGMが使われていた。
- まぬけクイズ
- 出題者より「『ま』ぬきです・・・たまこまやまきま」といった暗号が問題として出題される。解答者はその文の『ま』だけを抜いて浮かび上がる4文字を答えられたら正解。出題は2問で、制限時間は30秒。
- すえひろがり しりとり
- 出題者が2文字の言葉を言うので、それに続けて3回しりとりをするクイズ。しかし通常のしりとりと違う点は、前の言葉より1文字でも多い言葉を使うこと。ルール違反は即失格になってしまう。制限時間は30秒。
- 例:「いぬ」→「ぬりえ」→「えんそく」→「クリスマス」となればクリア。
- 記憶力クイズ
- 2~3分程度の短いVTRが流れるので、その内容を記憶する。その後、VTRの内容に関する問題が数問出されるので、ノルマ数正解できればクリア。
- ステレオクイズ
- オペラ歌手のような格好をした3人の出題者が登場し、解答者の後ろの台に立つ。3人の出題者は一斉にそれぞれ違う問題文を読み上げるので、解答者はその3つの問題の内、2つ答える事が出来ればクリア。あまりの難易度に1発目の収録で終了したという伝説のクイズ。ちなみに"一斉に読み上げられる問題文"は2回聞くことができる。
[編集] 番組の移り変わり
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