クマバチ
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?クマバチ | ||||||||||||||||||
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![]() 蜜を集めるクマバチ |
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Xylocopa appendiculata circumvolans | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
クマバチ | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Japanese carpenter bee |
クマバチ(熊蜂)は、コシブトハナバチ科に属する大型のハナバチである。危険な蜂として誤解され、またスズメバチと混同されることが多いが、他のハナバチ同様、攻撃しなければ、人を襲うことは少ない。
[編集] 特徴
体長は2cmを越え、ずんぐりした体形で、胸部には毛が多い。全身が黒く、翅も黒い中、胸部の毛は黄色いのでよく目立つ。初夏に出現し、フジの花などに来訪するのがよく見られる。
食性は、他のハナバチ同様、花の蜜と花粉食。
春先の山道や林道では、オスが交尾のために縄張り内の比較的低空をホバリングし、近づくメスを待つ様子が多数見られる。 また、オスはメスに限らず飛翔中の他の昆虫や鳥類等、近づくもの全てを追跡し、メスであるか否かを確認する習性がある。
単独生活のハチであり、枯れ木に巣穴を掘り、中に蜜と花粉を集め、産卵する。時に同じ枯れ木に複数が集まって営巣することもある。
体が大きく、羽音の印象が強烈なために獰猛な種類として扱われることが多いが、きわめて温厚である。ひたすら花を求めて飛び回り人間には関心を示さず、あまり攻撃に出ることはないし、たとえ刺されても重症に至ることは少ない(アナフィラキシーショックは別)。
オスは比較的行動的であるが、針が無いため刺せない。メスは巣を(知らずに)脅かしたりすると刺すことがある。
[編集] 誤解の原因
大型であるためによく危険なハチだと誤解されることがあるが、似た体長のスズメバチとの混同がさらなる誤解を招いている。スズメバチの黄色と黒の縞とは全く異なった体色であるため外見上で取り違えることは少ないが、スズメバチの事を「クマンバチ」と呼ぶことがあり、これが誤解の原因のひとつと考えられる。また人や地方によってはスズメバチを「クマバチ」と呼んだり、クマバチを「クマンバチ」と呼んだりと、両者の名称についての混乱がみられる。
かつて、少年向けの「蜜蜂マーヤの冒険」において、蜜蜂の国を攻撃するクマンバチの絵がクマバチになっていたものがあった。この様にして、この誤解は広まってしまっており、修正はなかなか困難な様子である。