クレイオ
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クレイオ(クレイオー、Κλειώ, Kleio、「祝福する女」の意)は、ギリシア神話に登場する文芸の女神ムーサたち(ムーサイ)の1柱。名はクリオ(クリーオー、Κλιώ, Klio)ともいい、ラテン語ではそれを転写してクリオ(クリーオー、Clio)という。すべてのムーサたちと同じくゼウスとムネモシュネの娘。クリオという名前は、祝福する (kλεί-εω) を意味する。
9柱のムーサたちのうち、「英雄詩」と「歴史」を司る。表される際の持ち物は巻物あるいは巻物入れなどであるが、この様にムーサたちが細分化されたのはローマ時代もかなり後期になってからである。
アプロディテに対して「女神の身であるにも関わらず、人間アドニスを恋した」と嘲笑したため、呪いによりマケドニアのペラ(ピエリス)王ピエロスを恋するようになり、その間にヒュアキントスという息子を産んだ。
別な伝説では、婚姻の女神ヒュメナイオスの母でもあるという。その名の語源はギリシア語で「物語る」「名声を得る」という意味の κλέω または κλείω に由来する。
[編集] 関連項目
- クリオ (小惑星)