ケン・トンプソン
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
ケネス・トンプソン (Kenneth Thompson, 1943年- ) は、UNIXのオリジナルの開発者の一人である。
彼は、アメリカ合衆国のルイジアナ州、ニューオリンズで生まれる。カリフォルニア大学、バークレイ校で電子工学博士を取得する。
1969年には、彼はベル研究所にて、デニス・リッチーとともに、UNIXオペレーティングシステムを作成する。また、トンプソンは、初期のUNIXに標準で搭載されていたエディタedや、B言語を開発したことで知られている。なお、C言語はデニス・リッチーにより作られたが、B言語を元としている。
1995年に発表されたオープンソース版の分散システム用オペレーティングシステムであるPlan 9に携わっており、この開発においては、UTF-8 文字コードの開発を行っている。
J. H. Condonと共に、トンプソンはBelleというチェス・コンピュータの開発に携わった。彼は、あらゆる4、5、そして現在では6ピースの、エンドゲームの完全なエミュレーションを作るプログラムを書いた。これらのいわゆるテーブルベースを使うことで、チェスをプレイするコンピュータ・プログラムは、一度テーブルベースに保存された局面に到達すれば完璧にゲームを進めることができる。
1983年には、トンプソンとデニス・リッチーは、チューリング賞を受賞している。なお、受賞理由は、 「オペレーティングシステム、特にUNIXオペレーティングシステムの開発手法の確立に対する貢献」 (英文:"for their development of generic operating systems theory and specifically for the implementation of the UNIX operating system") に対してである。
なお、トンプソンは、2000年12月1日にベル研究所を去り、現在は、Entrisphere, Incに所属している。