サイファー
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『サイファー』は、かとうひろしによって月刊コロコロコミック(小学館)に1995年10月号から1996年8月号まで連載された少年漫画。単行本(てんとう虫コミックス)は全2巻(現在絶版)。
目次 |
[編集] 概要
この作品は、それまでタイアップマンガが中心であったかとうひろしがコロコロで再デビューを飾った後の初オリジナル作品である。「激闘英雄伝・ワールドヒーローズ」が終了し、編集部から「オリジナルをやってみないか?」という案がサジェストされ、読みきり作品からはじまり「オリジナル作品の連載獲得」への日々が続くこととなる。ラフ案、スケッチなどを含めその執筆量は200ページ以上に及んだともいわれる。 そして、1995年に編集会議をクリアし、ついにコロコロコミックで初となるかとうひろしオリジナル作品が連載されることとなる。
それが、今作「サイファー」である。 そのハードな内容と児童誌と思えないリアルな描写から小学校高学年を中心に潜在的な人気はかなりあったと思われるが、コロコロの主要読者層が小学校の低学年であることや、雑誌の特性上、アンケートを送ることが人気のバロメーターになっていることをあまり知らない子供が多い、懸賞の商品にアンケートハガキが左右されやすいこと、アンケートハガキ=抽選応募ハガキと捕らえる子供も多いことから、アンケート順位が思わしくなく、まだまだ十分に話の盛り上がる余地を残しながら11話目にして無念の打ち切りとなる。
とはいえ、この作品はのちのかとう作品にも通じる怪奇恐怖路線の連載第一作ともなり、現在において作品そのものは同業者をはじめ成長した連載当時の読者などからも高い評価を与えられ、公式サイトでも「サイファーIIを作って欲しい」「番外篇が読んでみたい」と言った要望が絶えない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
額に星型のあざを持つ少年、「諸星一輝」は不思議な夢に悩まされていた。「PSYPER」という謎の言葉を残す怪物と「やつらがやってくる」という謎の声。そんな一輝にはスプーン曲げなどの超能力があり、友達にもよく見せていた。しかし、ある日謎の大男が現れ夢の中のあの声が忠告する。「その男から早く離れろ」。 男と出会ったのち、母親に連れられ廃屋に誘い出されるが、それは母親に化けていた怪物「ガイ魔」であった。 ガイ魔の突然の襲撃に2つ尾の犬が一輝を助ける。 その犬こそガイ魔と闘う力を持つサイコ・パワーを持つ戦士『サイファー』との会話が可能なドラゴンドッグ「ウォン」であった。
闘いの中、母親が殺されたことを知った一輝は怒りでパワーを解き放つ。 最初のガイ魔バンディをかろうじて倒した一輝しかし、本当の闘いはここからはじまるのであった。
[編集] 登場人物
[編集] サイファー
- 諸星一輝(もろぼし いっき)
- 主人公。額に星型のあざを持つ。彼の力は思念で物を動かしたり破壊したりするコトのできる超能力「念動力(テレキネシス)」。
- 最初は思うように扱うことが出来なかったが、闘いの中、怒りによって超能力を開放していく。
- ウォン
- 二本の尾を持つ竜犬族(ドラゴンドッグ)の生き残り。かつて彼の一族は人間に味方したため、ガイ魔によって滅ぼされた。
- 幻覚投射などの簡単な超能力が使えるが、ガイ魔に対抗できるほどの戦闘力は持っていない。
- ウォンという犬はかとうひろしの読みきり作品「ドラゴンMyフレンド」にも竜犬族(ドラゴンドッグ)として登場するが、両者のウォンが同一人(犬)物かは定かではない。
- 姫野ミカ(ひめの みか)
- 白い天使の力の持ち主「治癒能力者(ヒーラー)」。15歳。手のひらに星型のあざを持つ。一度ガイ魔によって殺されかけるが、ウォンの呼びかけにより一命を取り留める。その後は一輝のよき姉的な役割としてチームをサポートしていく。
- 炎修太(ほむら しゅうた)
- 炎を自在に操る力をもつ「発火能力者(ファイアースターター)」。洋館でピンチに陥っていた一輝たちをかろうじて救う。
- シンの予知に従い、一輝らをシンの元へと連れて行くことが目的であった。サイファーの中では最年少でまだ幼稚園児である。
- イワン
- 心の声を聴くことの出来る能力者「テレパス」。どんな人間の心も読むことが出来るが、その声は好む好まずにかかわらず
- 聴こえてしまう。サイファーには珍しく戦闘力は殆ど持っていない。サイファー一の巨漢。
- シン
- 未来を予知する能力を持つ「予知能力者(プレコグニション)」。但し、確定していない未来を見ることはできない。
- ガイ魔王復活に備え、6人のサイファーを全て呼び寄せることが目的であり、修太を一輝の元へ向かわせたのも彼である。
- 尼蛭(にひる)
- 一瞬のうちに空間を移動する能力の持ち主「テレポーター」。捨て児で、施設でいじめにあった過去があり、親の温かみを知らないために全ての人間を敵とみなし、最初はガイ魔と手を組んで人間界の王となることを目論んでいた。
- しかし、一輝らとの闘いで人間としての心を取り戻す。
[編集] ガイ魔
- バンディ
- 一輝の元に現れた最初のガイ魔。変身能力があるが、変身には対象者の新鮮な細胞が必要となる。一輝の母親を殺した張本人。
- ヴォルグ
- 一輝の命を狙う第2の刺客。戦闘能力は低いが催眠術で人を操る。一輝の級友やマンションの住人を操って襲わせたが、
- その能力の裏をかかれ自滅した。
- ズー
- ミミズの姿をしたガイ魔。一匹でなく集団で行動。物体・生物に入り込んで操る。車を操って暴走させ、ミカに重傷を負わせた。
- フェイススパイダー
- 巨大なクモの姿をしたガイ魔。人間の頭を食って取り込み、自身の体内で分身として育てる。
- また、強力な粘液質の糸を吐いて動きを封じてくる。
- パラサイター
- 尼蛭に取り付いたガイ魔。本体に戦闘力はないが、サイファーに取り付くことでその者の細胞や超能力を自在に操ることが可能となる。
- 吸血ガイ魔
- 赤霧の町に現れたガイ魔。素早い動きで毒のある触手を武器とし人間の生き血をその触手から吸い取る。しかし、その正体は…
- ガイ魔王
- 全てのガイ魔をつかさどる王。1万年間眠り続けたがついに復活の時が来る。
[編集] サイファーたちのその後
その後のことを知りたいと言うファンの要望に答えて原作者が自らの考えを掲示板上に告白したことがある
それによれば、ウォンにも家族があり、戦後はその家族の下へと帰り静かに暮らしている。 ミカと一輝は丁度姉弟のような関係ということになってきているので一輝をサポートしながらミカも自分の日常へと帰っていった。 イワンと修太はそれぞれ自分の家族の場所へ、尼蛭は恐らく戦いの前と変わらず放浪しているが、一輝たちとであったことで少しは人間を信じることが出来るようになったのでは?とのこと。 残念ながら、シンに関してはやはり死んでしまったとの認識であるらしい。
勿論、これは作者が一つの形として示したものであり、同じ文中には「皆さんの手で彼らのその後を想像してあげて欲しい」と言った意図の文も見られた。
[編集] 外部リンク
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