シトロン
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シトロン(学名 Citrus medica L.)はミカン科の低木、または中高木である。漢名は枸櫞(くえん)。レモンと類縁関係である。
インド東部、ガンジス川上流の高地原産、しかし紀元前にはすでにローマや中国に伝来していた。またアメリカ大陸にはコロンブスによる到達以降に伝わった。日本では「本草図譜」(1828)に記載されているので、江戸時代以前に伝わっていたと思われる。
枝にはとげが多い。葉は淡黄緑色、細長い楕円形で縁に細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。新芽や花は淡紫色を帯びている品種が多く、花弁は細長い。
果実の表面は黄色く、一般に紡錘形で重さは150~200g。また頂部に乳頭が発達している。果実は皮はやわらかいが分厚く、果肉が少なく、果汁も少ない。また果肉がかなりすっぱい品種とそうでない品種がある。果汁は飲料に使われたり、クエン酸の原料にされたりする。
ブッシュカン(仏手柑)はシトロンの変種。
[編集] 関連項目
- リボンシトロン
- ヨハン・シュトラウス2世 『レモンの花咲くところ』 Op.364 (シトロンと訳す場合もあるため)