シメジ
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シメジは食用キノコの名前。生物学的には定義が曖昧。
〈1〉 シメジ、シメジダケ(占地・湿地、占地茸・湿地茸)は、本来、担子菌門菌じん綱ハラタケ目キシメジ科のキノコ、とくにシメジ属のホンシメジを指す(シメジ属のハタケシメジやシャカシメジ(センボンシメジ)、シロタモギタケ属のブナシメジなど、他のキシメジ科のキノコも含めてシメジと総称する場合もある)。
〈2-ア〉 「シメジ」あるいは「ツクリシメジ」「味シメジ」の名で全国的に流通しているキノコは、ヒラタケ科ヒラタケ属のヒラタケの栽培品である。ヒラタケは上記のホンシメジやブナシメジとは全く別のキノコである。これは、シメジ属のキノコは生きた木に寄生する性質のため栽培が極めて困難で、代用品として名前だけ借りて販売されたものがそのまま定着してしまったためである。現在、単に「シメジ」と言った場合、このヒラタケの栽培品を指す場合が多い。
〈2-イ〉 「ホンシメジ」の名で流通しているキノコは、シロタモギタケ属のブナシメジの栽培品である。スーパーなどで売られている「ホンシメジ」の袋をよく見ると、たいてい「ブナシメジ」と小さく書かれている。本物のシメジ属のホンシメジは高級キノコで、栽培は困難。
[編集] 食用
日本では〈2-ア、イ〉の栽培品シメジが全国的に出回っており、普通に食用とする。どちらとも味、香りに癖がなく、煮物や吸い物、鍋物などによく入れる。
シメジは味が良いとされ、「匂いマツタケ、味シメジ」という言葉があるほどに親しまれている。ところで、この慣用句に出てくる味シメジというのは、「シメジ」の偽名で流通しているヒラタケや、「ホンシメジ」の偽名で流通しているブナシメジでのことではなく、本物のホンシメジのことである。このホンシメジというのが、一般にはまず出回ることのないとても希少で高級なキノコであるため(価格はなんと国産マツタケの数倍)、本当のシメジの味を知る人は少ない。
近年の研究によりシメジ属の人工栽培にもようやく糸口が見えてきたところで、いずれは本物のホンシメジが出回り、「ホンシメジ」の名を借りたブナシメジが名前を返上する日が来るかもしれない。
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