ジェームズ島と関連景観群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェームズ島と関連景観群 |
|
ジェームズ島 | |
(英名) | James Island and Related Sites |
---|---|
(仏名) | Île James et sites associés |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | 文化遺産(3), (6) |
登録年 | 2003年 |
拡張年 | |
備考 | 中核地域 (Core Zone) は7.5981ha、緩衝地域 (Buffer Zone) は300ha |
公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
地図 | |
画像:LocMap of WH James Island etc.png |
「ジェームズ島と関連景観群」は、ガンビアにあるユネスコの世界遺産登録物件のひとつ。セネガルの世界遺産であるゴレ島と並び、西アフリカにおける奴隷貿易の拠点となっていた事が評価されて登録された、負の世界遺産のひとつである。
目次 |
[編集] 登録物件
主としてガンビア川流域の以下の物件が登録されている。
[編集] ジェームズ島
ジェームズ島(世界遺産登録ID 761-001)は、この物件の中心的な遺産である0.35ヘクタールの小島。Lower Niumi Districtに含まれている。かつて奴隷貿易を行っていた当時の要塞や船出前の奴隷の宿泊施設などの遺構が残っている。
[編集] 六連砲台
六連砲台 (Six-Gun Battery, ID761-002) は、ガンビアの首都バンジュール市内にある砲台。1816年に建造され、1821年に完成した。世界遺産登録範囲は0.17ヘクタール。
[編集] バレン要塞
バレン要塞 (Fort Bullen, ID761-003) は、Upper Niumi Districtにある、1826年に建造された要塞。中核地域としての世界遺産登録範囲は6.3ヘクタール。
[編集] サン・ドミンゴ
サン・ドミンゴの廃墟 (Ruins of San Domingo, ID761-004) は、Lower Niumi Districtにある遺構。元々は15世紀にポルトガル人が交易で使うために建てた建造物群であるが、現在は全て廃墟となっている。中核地域としての登録範囲は0.723ヘクタール。
[編集] アルブレダ
アルブレダは、Lower Niumi Districtに属するマンディンゴ人が暮らす農村。この村自体が緩衝地域に指定されているが、ポルトガル、フランスなど領有国が転々とした結果残された遺構が現存し、なかでも特に重要なのが中核地域に指定されている次の二つである。
- ポルトガル人の礼拝堂の遺構 (Remains of Portuguese Chapel, ID761-005)
- 15世紀にポルトガル人によって建てられた礼拝堂。登録範囲は0.006ヘクタール。
- CAFOの建物 (CFAO Building, ID761-006)
- フランス西アフリカ会社 (CAFO, Compagnie française d'Affrique Occidentale) の建物の廃墟で、もとは19世紀に建てられたもの。登録範囲は0.03ヘクタール。
[編集] ジュフレ
ジュフレもマンディンゴ人が暮らす村だが、かつては奴隷狩りが行われた土地でもある。『ルーツ』で知られる作家アレックス・ヘイリーの先祖もこの村の出身とされる。この村には、次の物件がある。
- モーレル兄弟商会の建物 (Maurel Frères Building, ID761-007)
- 19世紀にイギリス人が建てた建物だったが、レバノン系のモーレル兄弟商会が買い取って使った。現在では、奴隷貿易に関する展示を行う博物館になっている。中核地域としての登録範囲は0.0191ヘクタール。
[編集] 世界遺産登録
1995年に、「ジェームス島とアルブレダ / ジュフレ / サント・ドミンゴの歴史区域(James Island and the Albreda/Juffure/Santo Domingo Historic Zone)」という名称で登録申請がなされたが、ICOMOSは適正な登録範囲策定のための検証が不十分であるとして登録の延期を勧告していた。この結果1996年の会議では登録延期が決定されたが、2002年に範囲を拡張して再申請が行われ、翌年に正式登録された。
世界遺産としての登録ID (761rev) が、1996年に登録されたアムステルダムの防塞線 (ID759) などと近い数字なのは、こうした経緯による。
[編集] 登録基準
この世界遺産は、世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
- (3) 現存する、または、消滅した文化的伝統、または、文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠。
- (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰、または、芸術的、文学的作品と、直接に、または、明白に関連するもの。(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている。)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ユネスコによる公式記録(pdf)