ジョン・コーツ
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ジョン・コーツ (John Henry Coates, 1945年1月26日 - ) はイギリスの数学者。ケンブリッジ大学エマニュエルカレッジ教授。専門は数論、数論幾何学、岩澤理論。
オーストラリア国立大学を卒業後はフランスのエコール・ノルマル・シュペリウールに留学。 フランス留学を終えた後にイギリスのケンブリッジ大学でアラン・ベイカーのもとで博士号を取得。 その後ハーバード大学、スタンフォード大学、オーストラリア国立大学等を経て現職。
業績として ベイカーとともに代数的K-理論における貢献。楕円曲線のヴェイユ予想の特別な場合を解決した。 アンドリュー・ワイルズとともに岩澤理論をバーチ・スウィナートン=ダイヤー予想に応用し、虚数乗法を持つ楕円曲線について非常に大きな貢献をした。 岩澤理論とp-進 L-関数との関係や、p-進 リー群の岩澤理論、岩澤理論のモチーフや変形理論、岩澤理論のデデキント ゼータ関数への応用、加藤和也とともに非可換岩澤理論の構築。
などなど数論 (特に岩澤理論への貢献) への貢献は非常に大きいもの。
岩澤理論と名づけたのはコーツ。 フェルマーの最終定理を証明したワイルズはコーツの弟子である。
[編集] 略歴
- 1945年 - オーストラリアのニューサウスウェールズに生まれる。
- 1969年 - ケンブリッジ大学で博士号を取得。ハーバード大学助教授に就任。
- 1972年 - スタンフォード大学準教授に就任。
- 1975年 - ケンブリッジ大学フェローに就任。
- 1977年 - オーストラリア国立大学教授に就任。
- 1978年 - パリ南大学 (パリ第IX大学) 教授に就任。
- 1985年 - エコール・ノルマル・シュペリウール教授に就任。ロンドン王立協会のメンバーに選出。
- 1986年 - ケンブリッジ大学教授に就任。
- 1997年 - ロンドン数学会よりシニアホワイトヘッド賞を受賞。