スクエア (都市伝説)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ここで扱うスクエアは、都市伝説のひとつである。
地域や時代によりいろいろなバリエーションがあるが、概ね以下のような内容である。
[編集] 内容
ある山岳部の5人の学生達が雪山へ出かけた。山に着いた当初は晴れていたものの、昼頃から雪が降り始め、夕方には猛吹雪となって学生達は遭難してしまった。途中、5人のうち一人が落石で頭を割られ死亡、仲間の一人が死んだ仲間を背負う形で歩いていた。
やがて4人は山小屋を見つけ、助かったとばかりに中に入るがそこは無人で暖房も壊れていた。死んだ仲間を床に寝かせた4人は知恵を絞り、吹雪が止むまで凌ぐ方法を考え出した。
その方法とは、4人が部屋の四隅に一人ずつ座り、最初の一人が二人目の肩を叩く。一人目は二人目が居た場所に座り、二人目は三人目の肩を叩く。二人目は三人目が居た場所に座り、三人目は四人目の肩を叩く。四人目が一人目の肩を叩くことで一周、それを繰り返すというもの。四角い部屋を周ることから「スクエア」と名付けられた。
自分の番が終れば少しは眠れるし、次の仲間に回すという使命感で頑張れるという理由から考え出されたものだった。
そして学生達は何とか吹雪が止むまで持ちこたえ、無事に下山することが出来た。
喜びを噛み締めあう学生達。しかし仲間の一人があることに気付く。この方法は4人では出来ない(4人目が1人目の肩を叩けることは在り得ない)ということに。
話の結末としては、死んだ5人目が密かに加わって仲間を助けた、というものである。
この「スクエア」は降霊術の一種として使われているという説もある。
[編集] 派生作品・関連作品
単なるホラーではなく、吹雪に閉ざされた山小屋という密室的シチュエーションがミステリーとしての要素を含んでいるためか、『金田一少年の事件簿』にもトリックのひとつとして登場する。また、江戸川乱歩の推理小説では少年探偵の小林少年が単身で忍び込んだ敵のアジトにおいて、真っ暗闇の部屋を壁沿いに歩き、ごく普通の四角形の部屋をいつまでもぐるぐると回り続け、多角形構造をした異常に大きな部屋と勘違いする場面が存在する。こちらはスクエアを1人で行った一種のヴァリエーションといえる。