セルロイド
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セルロイド(Celluloid)は、合成樹脂の名前である。歴史上最も古い熱可塑性樹脂である。ニトロセルロースと樟脳などから合成される。代表的な製品はピンポン玉、人形等である。
成形が簡単であることから象牙の代用品として開発された。極めて燃え易く、摩擦などによって発火し易いことと耐久性がない欠点のため、現在はあまり使われていない。代わって、不燃セルロイドなども使われている。
1856年にイギリス人アレキサンダー・パークス(1818-1890)によって初めてつくられた。1870年にアメリカの製造会社の商標としてセルロイドという名前が登録された。1880年代後半からセルロイドは乾板に代わって写真フィルムとして使われるようになった。それらの製造技術を開発したハンニバル・グッドウィンの会社が現在のイーストマン・コダック社の前身である。その後20世紀の半ばまで、食器の取っ手や万年筆の筒や眼鏡のフレーム、洋服のエリ(カラー)やおもちゃなど広く利用されたが、燃えやすい欠点のため、アセテートやポリエチレンなどに取って代わられた。セルロイドで造られた初期の映画フィルムの保存方法は課題になっている。
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