ソフトリンク
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ソフトリンク(Soft Link)とは、コンピュータのディスク上で扱うファイルやディレクトリを、本来の位置にファイルを残しつつそれとは別の場所に置いたり別名を付けてアクセスする手段である。複製とは違い、実体がないこと、ソフトリンクで開いたファイルへの操作が実物のファイルにも反映されること、ファイルサイズが小さいのが特徴。実際には、各種OSによって異なった名称で呼ばれており、仕様にも若干の違いが見られる。Microsoft Windowsではショートカット、Mac OSではエイリアス、UNIXではシンボリックリンク、NTFSを搭載したWindows(Windows XP等)ではリパースポイント(別名:ジャンクション)と呼ばれるものがこれに相当する。なお、Mac OS Xではエイリアスに加えてシンボリックリンク、Windows Vistaではショートカットに加えてシンボリックリンクにも対応している。
ソフトリンクはリンク先のファイルを指し示しているだけの存在であるが、これへアクセスするとリンク先のファイルが操作される。つまり、ディスク内のある場所にあるファイルを、あたかも別の場所にもあるがごとく扱えるのである。これは、ファイルを整理した際に、ディレクトリの奥深くに埋もれてしまったファイルをデスクトップ[2]など手近な場所からアクセスするのに便利になる。
ソフトリンクは、リンクを削除してもオリジナルは消滅しない。逆に、オリジナルを削除するとソフトリンクは無効なものになってしまう。
- Windowsのショートカットは、フォルダやファイルを指し示すという本来のソフトリンクの機能の他、コントロールパネルの設定項目などファイルでないものも指し示すことができるようになっている。なお、リンク先のファイルが移動された場合にはショートカットは追従できず、無効なリンクになってしまう。
- Mac OSのエイリアスはほかのOSよりも進んでいて、エイリアスレコードと呼ばれる、ファイル固有の参照情報を保存することでリンク先ファイル(オリジナルと呼ぶ)が移動されたりファイル名が変更されても自動的に移動先に追従し、常に有効性を保つ。フロッピーディスクへのリンクの場合などは、ネットワーク上のコンピュータのどれかに挿入されていればそれを探知して開くことまでできる。リンク先のファイルがゴミ箱やアプリケーションパッケージ、挿入されていないリムーバブルメディアに入っていたり、削除されているとリンクが切れる。ちなみにこのエイリアスレコードは必ずしもエイリアスファイルとして単一ファイルにする必要がなく、アプリケーションが独自にレコードを保持しても構わない。Classic OSでは、記憶しておく必要のあるファイル情報はエイリアスレコードで保持するのが一般的で、編集中のファイルを移動してもそれを追従し、エラーとして扱ったり、ファイルを開いた時点での場所に再度ファイルを作成したりせず移動先に正常に保存できるといったような、極めて自由度の高いファイル処理を行なっていた。なお、Mac OS Xでは一部例外を除いて機能しない。その例外とは、旧来のOSの機能を持つFinderおよびCarbonもしくはClassicアプリケーションとなる。
- WindowsでもファイルIDでファイルを参照することは可能である。これは主にServices for MacintoshにおいてMacintoshのサーバとして機能するためであり、それ以外の目的ではあまり積極的に使われていない。
- Windows 2000以降のDistributed Link Trackingサービスを有効にした環境では、ファイルにオブジェクトIDという一意なIDが振られ、Windowsドメイン内のNTFSボリューム上である限り、どこに移動しても確実に追跡できる。
- UNIXのシンボリックリンクは実体へのファイルパスだけを保存しているため、ショートカットと同じくリンク先ファイルの移動には追従できない。
- BTRONの仮身は概念上ソフトリンクに相当する。ただし、ユーザーが直接ファイル本体に触れる事はできず、全てが仮身を通してアクセスされる点が他のOSと異なる。また仮身はOSの基本構成要素であり、テキストファイルや計算表などあらゆる場所に埋め込む事ができる。