ドクトカゲ
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?ドクトカゲ | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() メキシコドクトカゲ Heloderma horridum |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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種 | |||||||||||||||||||||||||||
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ドクトカゲは、有鱗目トカゲ亜目オオトカゲ下目ドクトカゲ科ドクトカゲ属に分類される2種のトカゲの総称。ドクトカゲ属のみでドクトカゲ科を形成する。ワシントン条約付属書II類。危険な動物。
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[編集] 分布
[編集] 形態
頭部は丸くて大きく顎の力は強い。また一度噛みつくとなかなか離さない。 尾は太く栄養分を貯めこむことができる。体は粒状の鱗に覆われている。
[編集] 毒
有鱗目トカゲ亜目で本科のトカゲ2種のみ毒を持つ。(近縁のオオトカゲ科も広範に毒を持つとする説が浮上してきている。)
ヘビ亜目の有毒種とは違い毒線は下顎にある。毒牙は発達しておらず噛みついている間に毒液を傷口から少しずつ浸透させる。
毒は強い神経毒で噛まれると激しい痛み、頭痛、悪寒、吐き気、リンパ節の腫れなど症状が現れる。 最悪の場合死に至るが人の死亡例は極めて稀。
毒液が少ないことや咬傷被害が少ないことから血清はない。
[編集] 生態
砂漠や森林に生息する。高い木や多肉植物の上に上ることもある。普段は動きは緩怠で人に対し積極的に噛みつくようなことはないが突発的に素早く動くこともできる。
食性は肉食性で小型哺乳類、爬虫類や鳥の卵やヒナなどを食べる。繁殖形態は卵生。
[編集] 分類
- Heloderma horridum Wiegmann, 1829 メキシコドクトカゲ Mexican beaded lizard
- メキシコに分布。全長70~100cm。半砂漠地帯や森林に生息する。褐色の体色に黄色い斑紋が入る。木に登るなどの立体的な活動も行う。
- Heloderma suspectum Cope, 1869 アメリカドクトカゲ Gila monster
- アメリカ合衆国、メキシコ北部に分布。全長35~40cm。ピンク色の体色に黒い横帯や網目模様が入る。稀に高い木に登ることもある。7、8月に4~7個の卵を産む。
[編集] 人間との関係
ペットとして飼育されることもあり、日本にも飼育下での繁殖個体が輸入されているが極めて高価。また動物の愛護及び管理に関する法律にて危険な動物に指定されており、飼育にあたっては地方自治体の許可が必要になる。さらに咬傷被害による死亡例があり血清がないことも念頭に置く必要がある。
近年、アメリカドクトカゲの毒液に含まれるホルモンから糖尿病の治療薬が開発され研究が進められている。
[編集] 関連項目
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