ドットコムマスター
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ドットコムマスター(インターネット検定.com Master)とは、2001年5月からNTTコミュニケーションズが実施しているインターネットの利用拡大を目的とした民間資格試験である。合格者はNTTコミュニケーションズのインターネットサービスであるOCNの在宅コールセンター業務を行えるなど、実際の仕事で活用できる知識のレベル認定となっている。
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[編集] 試験区分
2001年の試験開始時においては、主にパソコンを使ってインターネットにアクセスする初級ユーザを対象としたシングルスターだけであったが、その後、サーバを使って情報発信や小規模ビジネスでのインターネットの利用を想定する中級ユーザを対象としたダブルスター、さらに、複数の拠点をつないだWANとしての利用を想定するSME (Small Medium Enterprise) ユーザを対象としたトリプルスターが追加され、現在はこれら3つのグレードからなり、それぞれ★の数によって表される。
この試験の特徴として、資格名称の後に取得年度が付与され、例えばシングルスターの場合、.com Master ★ 2005 のようになる。これはその取得年度における試験内容に対しての年度ごとの資格であることを表しており、これにより、変化の早いインターネットの世界において、毎年、内容を更新することで資格としての陳腐化を避けると同時に、資格自体がいつの時点での技術を反映しているかが分かる仕組みとなっている。
それぞれのグレードごとの内容は、以下のようなものである。
- シングルスター
- インターネット利用のためのパソコン、接続方法、個人向けサービス、セキュリティ、プライバシーや知的所有権などの法律に関する基礎的な知識と技能
- ダブルスター
- インターネット利用のためのサーバ、LAN構築、運用管理、セキュリティ、コンテンツ利用や開発に関する法律に関する基礎的な知識と技能
- トリプルスター
- インターネットおよび小規模企業ネットワーク利用におけるWAN構築、運用管理、セキュリティ、契約に関する一部の企業法務に関する知識と技能
[編集] 試験実施の詳細
試験には、全国の主要都市で年2回(7月、12月)実施される集合試験と、シングルスターに関しては1年を通じて随時、各地のテストセンターで実施されるCBT (Computer Based Testing) とがある。ちなみにシングルスターはCBTで合格点に満たない場合、一ヶ月間再試験を受けることができない。 なお2006年度から、トリプルスターは12月の年1回の集合試験でのみ実施となっている。
[編集] 試験問題及び合格
いずれのグレードも2部構成で、休憩を挟んで前半60分間、後半90分間となっているが、前半と後半の問題数は各グレードにより異なる。 シングルスターでは、前半50問、後半50問の計100問、ダブルスターでは、前半50問、後半40問の計90問、トリプルスターは、前半30問、後半20問の計50問である。
合格基準はオープンになっていないが、試験問題はその技術内容に応じて5つから6つのカテゴリーにグルーピングされており、受験者にはこれらのカテゴリー毎の成績が5段階の★の数で表された成績表が送られてくる。この成績表において(1) これらカテゴリーの★が全て3つ以上、(2) 総合成績も同様に5段階の★で表されているが、これが4つ以上という2つの条件を満たしていることが合格の条件となっている。したがって、一つのカテゴリでも★の数が2つのものがあった場合は、他のカテゴリで満点に相当する★が5つであったとしても不合格となる。
合格した受験者には、NTTコミュニケーションズから認定書が授与される。
[編集] 備考
在宅コールセンター業務はNTTコミュニケーションズの子会社であるNTTコムチェオにより実施されている。NTTコムチェオでは、在宅コールセンターのオペレータとして、.com Masterの資格保持者であることを条件としている。