ニプレス
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ニプレスは人間の乳首に貼り付ける絆創膏状の物体。ニップレスとも表記される。
最も一般的なものは肌色をした円形の絆創膏タイプで、裏面は乳頭と触れる中心部分に絆創膏同様の当て布が貼り付けられている。絆創膏部分は基本的に平面状であり切れ込みなどは付いていないため、胸に貼り付けると外周部に多少のしわができてしまう。粘着部分があるため、基本的に使い捨てである。
なお「ニプレス」(Nippless)という語は和製英語で、英語話者には商品コンセプトとともに異様に受け取られることが多い。本来は常盤薬品工業の商標であり、他社による同種製品にはニトムズのタックトップなどがある。
[編集] 利用目的
本来、ニプレスは運動時などに乳首が肌着とこすれて衣擦れを起こすのを防ぐために使用する保護器具である。この用途では長距離走、ジョギング、競泳等を行う者が使うことが多く、男女ともに使用ができる。
一方、乳首の色や突起を目立たなくする目的で、女性が水着やレオタード等を着用する際に着用することもある。また、日常における薄着においても同様の目的で着用されることがあり、この場合はブラやヌーブラではいわゆるブラ線が透けて見えたり、服の隙間からブラが見えてしまうことを嫌っての使用になるが、ニプレスにはバストの形状を矯正したり支持する機能はないため胸の大きな女性の常用には向かない。この用途は日本独特の羞恥観念から生まれたもので、トイレの「音姫」等と同じく他国出身者の目には新奇なものとして映る。発展的な使い道としては、万一ブラや衣服が外れても乳首が見えないよう「最終防衛ライン」としてショーモデルなどが利用することがある。
映画や写真等でのセミヌード撮影では、撮影スタッフや共演者の目から乳首を隠すために着用することが多いほか、水着グラビアの撮影でも偶発的な露出の予防策として使われることがある。珍しいところではニプレスを着用した胸を明示的に見せる「着エロ」系グラビアの手法があるが、基本的にはこれらの業界においてもニプレスは黒子の存在であり、着エロを除いてその存在が意識されることは少ない。なお、着エロで使用されることの多い星型や花型のものは欧米のストリッパーなどが使用するPastiesと同じく人に見せることを前提としたもので、日本的なニプレスとは本来無関係である。