ノーズアート
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ノーズアート(Nose Art)とは、航空機(主に軍用機)の機首部分に描かれた様々な絵画、機体の愛称などを指す。垂直尾翼等、機首以外の場所に描かれる場合もあるが、これらも含めて広義的にノーズアートと見なすようである。 いつ頃からこういったものが描かれるようになったかは定かではないが、第二次世界大戦以前の航空機にも描かれていた。ただし現代の軍用機の場合、描かれることは少なくなってきている傾向にある。
アメリカ軍機のノーズアートの場合、1機の機体に1人の搭乗員(1組のクルー)という運用体制が確立しており、搭乗員や整備員たちが機体への愛着心・士気や戦意高揚を表すといったような理由から描かれることが多いようである。描くことを軍が命令することはまず有り得ない(レターや所属部隊マーク等は除く)ので、黙認状態というのが本当のところのようである。しかし、第二次世界大戦中には、女性の裸身などあまりに過激なアートについては女性団体や宗教団体などから激しい批判を浴び、猛烈な抗議活動が巻き起こったこともあって、ノーズアートを消す(もしくは別のおとなしい絵に描き直す)よう全軍に命令が出されたこともある。
アートの種類としては、前出の女性の裸身(ピンナップ・ガール)の他、機首を鮫に見立てて口や牙・目を書き込む「シャークマウス」(シャークティース)、ディズニーや当時の人気漫画のキャラクター、ウサギ・鷲・犬といった動物、ドラゴンや死神のような想像上の物体、機体愛称にちなんだ全くのオリジナルなものなど、それこそ多種多様である。また、戦時中の場合は敵国を嘲笑したり差別するような内容のものが描かれることも多い。(参照:B-29 ストレート・フラッシュ)
ちなみに大戦中の日本の場合、「兵器は天皇陛下の所有物であり、戦争のために陛下からお借りしている」という解釈だったため、機体に絵を描く(=落書きする)など言語道断ということでごく一部の例外を除き一切禁止されていた。ただし、特攻隊に選ばれた者は特例として、自分が搭乗する特攻機に自由に絵や言葉を描くことを許可された。だが、自分の命を懸ける特攻という任務の性格上、アメリカ軍のようなどちらかというと陽気なイメージのアートは皆無であった。国民性も関係していると思われる。
先述のごく一部の例外として有名なのは、陸軍のフィリピン・インドシナ方面の陸軍爆撃機隊の機体に、当時国民的マンガであった「フクチャン」が日本国旗を担いで爆弾に片足立ちしたり、下駄を履いて空を駆けているところを描いたものがあったという。
現代の自衛隊においては、競技会時限定で描かれることもあるが普段は部隊マークを除き禁止されている。
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