ハッチョウトンボ
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?ハッチョウトンボ | ||||||||||||||||
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19世紀の標本(ウィーン自然史博物館) |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Nannophya pygmaea Rambur, 1842 |
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和名 | ||||||||||||||||
ハッチョウトンボ | ||||||||||||||||
分布 | ||||||||||||||||
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ハッチョウトンボ(八丁蜻蛉 Nannophya pygmaea )は、トンボ科に分類されるトンボ。日本一小さなトンボとして知られ、世界的にも最小の部類に属する。
目次 |
[編集] 特徴
[編集] 形態
成虫の体長は雄で20mm、雌で18mmほどで極めて小さい。一円玉の直径が20mmなので、その中に頭から腹端までが納まることを考えれば、いかに小さいかがわかる。雄の体は羽化直後は橙褐色だが成熟すると体全体が赤味を帯び、羽化後20日ほどで、鮮やかな赤色となる。この状態を完成色と呼ぶ。雌は茶褐色で、腹部に黄色や黒色の横縞がある。翅の大半は透明であるが、付け根付近は美しい橙黄色になる。幼虫(ヤゴ)も体長9mmと非常に小さく、緑色を帯びた褐色であるが、体表が泥で被われていることが多い。
[編集] 生態
主として平地から丘陵地・低産地にかけての水が滲出している湿地や湿原、休耕田などに生息しているが、時には尾瀬ヶ原のような高地の湿原でも見られることがある。いずれも日当たりがよく、ミズゴケ類やモウセンゴケなどが生育し、極く浅い水域がひろがっているような環境を好む。成虫は5-9月に出現する。
日本では青森県から鹿児島県に至る本州、四国、九州に分布するが、離島には生息していない。尾瀬などで有名なので、何となく寒いところの種類に思われることもあるが、日本国外ではアジアの熱帯域に広く分布する種類である。日本国内での分布は局所的で、さらに近年の開発や環境汚染により著しくその数を減少させている。海外では中国~マレーシア、シンガポール、ボルネオ、ニューギニア、オーストラリア北部など、東南アジアの熱帯域を中心に生息する。
[編集] その他
名前の由来は、尾張の本草学者・大河内存真(おおこうち ぞんしん:1796-1883)による『蟲類写集』にある、日本では「ヤダノテツポウバハツチウメ」(矢田鉄砲場八丁目)にのみ発見せられるために「ハツチウトンボ」の名を有する、との記載に因むとされる。この矢田鉄砲場八丁目の詳しい場所は現在不明とされるが、名古屋市内の矢田川付近と見られている。また一説には矢田河原八丁畷(現在の名古屋市千種区周辺)で発見されたことに由来するとの説もあるが、この説の根拠はよくわかっていない。
学名の pygmaea は「Pygmaei(伝説上の小人)の~」の意で、もちろん小さいことに由来する。
[編集] 分類
ハッチョウトンボ属に分類される種は現在まで下記の6種が知られるが、そのうち日本に分布するのはハッチョウトンボ1種のみである。
- Nannophya australis Brauer, 1865:オーストラリア東部
- Nannophya dalei (Tillyard, 1908):オーストラリア(南部、タスマニア)
- Nannophya katrainensis Singh, 1955:インド
- Nannophya occidentalis (Tillyard, 1908):西オーストラリア
- Nannophya paulsoni Theischinger, 2003 オーストラリア北部
- Nannophya pygmaea Rambur, 1842 ハッチョウトンボ:東アジア、東南アジア島嶼部など