ハンモックナンバー
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ハンモックナンバーとは海軍兵学校における卒業席次のこと。
大日本帝国海軍では「軍令承行令」の序列人事制度によって、兵学校の卒業生は卒業期の卒業席次順に昇進していった。海軍創設時は鹿児島県(薩摩藩)出身者が海軍の中心派閥としており、同郷意識による薩摩閥が幅を利かせていた。そのため、情実をなくすため、海軍兵学校卒業成績に基づく序列制度が考案され、実施されるようになった。
ハンモックナンバーは地縁差別による派閥の横行がなくなり、人事に関して明朗で公正な基準であるとして、定着するようになった。
一方で、先に卒業した先輩を飛び超える人事や卒業席次順に反する人事が行えないなど問題もあった。抜擢人事は大佐までで将官は先任序列に従うとされた。これが人事の硬直化を招いた。人事硬直化の例として、真珠湾攻撃前において第一航空艦隊司令長官の候補だった南雲忠一と小沢治三郎がいたが、空母機動部隊という概念の提唱者である小沢ではなく航空戦の知識がなかった南雲が就任したことがあげられる。
言葉の由来は兵学校における寝床がハンモックであり、成績順にハンモック(寝床)の順番が決められていたことからとされている。