ハーレーダビッドソン・VRSC
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VRSC、参考画像 |
ハーレーダビッドソン・VRSCとは、アメリカのオートバイ製造会社ハーレーダビッドソン初の水冷エンジンを搭載したオートバイのシリーズ名である。ハーレーラインナップの中でVRSCファミリーと呼ばれる、同社製の水冷エンジンを搭載している。 VRSCシリーズはVRSCA、VRSCB、VRSCR、VRSCD、VRSCAW、VRSCDXがラインナップされている。V-ROD、V-ロッド、VRSC、表記はさまざまである。 亜種として、メーカー純正の市販ドラッグレーサー、VRXSEがある。
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[編集] 特徴
ハーレーダビッドソンといえば空冷Vツインエンジンというイメージがあるが、その昔AMAスーパーバイクレースに、水冷Vツインエンジンを搭載したアルミツインチューブフレーム+フルカウルという形状のVR1000で参戦していた。VRSCシリーズの開発初期段階に、このVR1000のエンジンをダイナモデルらしきフレームに搭載してテストしている様子が、記録映像として残されている。2002年にはポルシェ社との共同設計開発による、ハーレーダビッドソン社製としては初の市販型水冷DOHC Vツインエンジン(レボリューションエンジン)搭載車となるオートバイも誕生した。それこそがVRSCファミリーのVRSCAである。 水冷エンジンは静寂と思われがちだが、空冷のVツインエンジンが持つ独特の鼓動感とはまた1味違う、独特のエキゾーストノーズ(排気音)、鼓動感、フィーリングを持ち合わせている。空冷のオートバイには無い冷却装置、ラジエターを車体のデザインに溶け込ませることでハーレーらしい堂々とした風格、スタイリングも忘れていない。 創始者の子孫であり、ハーレーダビッドソン社製オートバイのデザインを統括しているウイリー・G・ダビッドソンに、「正しくこれはハーレーだ!」と言わしめた程である。
2006年モデルから、一部グレードでブレンボ製ブレーキを搭載する。
[編集] VRSCファミリー
- VRSCA - 2002年登場モデル 「アノダイズドアルミ」と呼ばれる、クリアーアルマイト仕上げのアルミ外装が特徴
- VRSCB - ハンドルバーがライザーによる支持方式に変更。黒塗装のエンジンになり、カバー類がポリッシュ仕上げに。
- VRSCD - Bモデルをベースに、ミッドコントロール+ハイウェイペグ+ビキニカウル装備に。
- VRSCR - Dモデルをベースに、倒立フロントフォーク+新設計リアサスペンション変更、車高をスポーツバイク並に高めた。ホイールは中空タイプの多スポーク型キャストホイールになり、Fタイヤは他モデルと同サイズながら内部構造の違う専用タイヤが純正指定されている。外装部品は一部形状や素材が変更になり、他モデルとの互換性を全く持たない。
- VRSCAW - 2007年モデルから登場。Aモデルがベースで、リアに240ミリワイドタイヤを装備。クーラントリザーバ位置が変更。大容量燃料タンクを採用、航続距離が伸びた。
- VRSCDX - 2007年モデルから登場。Bモデルがベースで、フォワードコントロール+リアに240ミリワイドタイヤを装備。クーラントリザーバ位置が変更。大容量燃料タンクを採用、航続距離が伸びた。艶消し黒塗装仕上げの専用エキゾーストシステムを装備。
- VRXSE - 2006年モデルから登場。Aモデルベースの市販ドラッグレーサーであり、VINナンバーも5HDから始まる通常のタイプではない。日本国内ではナンバー取得する事の出来ない、クローズドコース専用車両となる。保安部品はブレーキランプ以外無し。1300ccエンジン+大型オイルパン、アッパーフォークブラケット+ドラッグバー、エアシフター、ウイリーバー、アジャスタブルレブリミッター+シフトインジケータライト、前後の専用ホイール+ドラッグスリックタイヤ、ロックアップクラッチ、オープンへダーマフラー等が専用装備となる。