バタリアン
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バタリアン | |
監督 | ダン・オバノン |
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製作総指揮 | ジョン・デイリー 、デレク・ギブソン |
製作 | トム・フォックス |
脚本 | ダン・オバノン |
出演者 | クルー・ギャラガー |
音楽 | マット・クリフォード |
撮影 | ジュールス・ブレンナー |
配給 | 東宝東和 |
公開 | 1986年 |
上映時間 | 91分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
次作 | バタリアン2 |
allcinema | |
キネマ旬報DB | |
バタリアン(Battalion、原題:Return of the Living Dead)は、1985年にアメリカで製作されたコメディ要素もあるホラー映画。シリーズ作品は、2006年の時点で5本作られている。
バタリアンは、ゾンビ映画の礎的な作品である『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ作品となっている。ホラー映画というジャンルに分類されるが、コメディ要素が盛り込まれているため、ホラー映画ファンの間では「笑えるホラー」として認知されている。邦題の「バタリアン(Battalion)」は、日本の配給会社の東宝東和による日本の独自もので、英語で「軍隊」や「大群」の意。この映画タイトルを元に、「オバタリアン」という流行語も生まれた。世界観としては、映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』での出来事が実際にあった事であるとされ、正統なものではないものの、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』の続編的な位置づけとなる。本シリーズのゾンビは、トライオキシンという物質により、死体が蘇生しゾンビ化するというもので、頭を破壊したり、燃やすことで撃退できるという従来の方法では対処できない。(ただし、作品によって微妙に設定が異なる。)登場するゾンビにそれぞれ個性があり、コールタール漬けにされていた「タールマン」、上半身だけの老女ゾンビ「オバンバ」など、そのキャラクター性が強く描かれている。続編も制作されたが、好評だった第一作ほどの評価は得られていない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] バタリアン(原題:The Return of the Living Dead)
1985年(日本では1986年)公開。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へのオマージュが随所に見られ、ゾンビ映画好きにとって笑えるパロディが盛り込まれている。現在も根強いファンを持ち、ホラー映画ファン以外にも人気を博した。
[編集] ストーリー
アメリカケンタッキー州ルイヴィルにあるユニーダ医療会社で働くこととなったフレディは、フランクから軍の移送ミスによって会社の倉庫に保管されているゾンビの存在を知らされる。フレディとフランクがそのゾンビの入った容器を叩いてみたところ、そこから突然ガスが噴き出した。ガスは死体を蘇らせてゾンビ化させるという物質トライオキシンだったため、医学用に保管されていた死体がゾンビとなる。社長のバートが秘密裏にゾンビを処理しようと、火葬場で焼却。しかし、その煙は雨雲を呼び、墓地に染み込んだ雨水は死体を次々とゾンビにしていく。そして、ガスを浴びたフレディも・・・。
[編集] スタッフ
- 監督・脚本 - ダン・オバノン
- 製作 - トム・フォックス
- 原案 - ジョン・ルッソ、ルディ・リッチ
- 撮影 - ジュールス・ブレンナー
- 音楽 - マット・クリフォード
- 出演 - クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン、ドン・カルファ、トム・マシューズ
[編集] バタリアン2(原題:Return of the Living Dead Part II)
1987年公開。人気を博した第一作に続いて、2作目である『バタリアン2』が作られた。新しく登場するキャラクター性の強いゾンビはいるものの、ストーリーが、ほぼ1作目と同じであり、単なる1作目の焼き直しに過ぎない駄作などと厳しい評価を受けている。
[編集] ストーリー
1台のトラックが誤ってドラム缶を落して走り去って行った。その中身は、死体をゾンビ化させるというトライオキシンだった。それを見つけたジェシーたち3人の少年。うち2人がドラムカンを叩き、噴出したガスを浴びてしまう。ガスを浴びた少年はゾンビ化していき、ガスは墓場へ。地中へ染み出したガスにより、死者が次々とゾンビとして蘇っていく。
[編集] スタッフ
- 監督 - ケン・ウィーダーホーン
- 製作 - トム・フォックス、 ウィリアム・S・ギルモア
- 脚本 - ケン・ウィーダーホーン
- 撮影 - ロバート・エルスウィット
- 音楽 - ウラジミール・ホルンツィ
- 出演 - トム・マシューズ、ジェームズ・カレン、サリー・スマイス
[編集] バタリアン リターンズ(原題:Return of the Living Dead 3)
1993年公開。日本では劇場未公開のシリーズ第3作。「バタリアン3」ではなく、「バタリアン リターンズ」のタイトルでビデオ発売された。以前の作品とは、一線を画してシリアス路線となってコメディ要素は抑えられており、恋愛要素を盛り込んだストーリーとなっている。
[編集] ストーリー
カートは恋人であるジュリーをバイク事故で亡くしてしまう。カートの父は軍の施設で働いていた。そこでは死体をゾンビ化させる物質・トライオキシンを兵器として転用する研究していた。その事を知るカートは、施設に忍び込みトライオキシンを使ってジュリーを蘇生させる。蘇ったジェリーは人を襲い出すが・・・。
[編集] スタッフ
- 監督 - ブライアン・ユズナ
- 製作 - ゲイリー・シュモーラー、 ブライアン・ユズナ
- 脚本 - ジョン・ペニー
- 撮影 - ジェリー・リヴリー
- 音楽 - バリー・ゴールドバーグ
- 出演 - J・トレバー・エドモンド、 ミンディ・クラーク、 ケント・マッコード、 サラ・ダグラス
[編集] バタリアン4(原題:Return of the Living Dead:Necropolis)
2005年(日本では2006年)公開。前作の『バタリアン リターンズ』から、12年ぶりに製作された。本作は、バタリアンの基本的な設定を引き継ぎ、ティーンエイジャー映画としての要素を盛り込んでいる。
[編集] ストーリー
軍が極秘のうちに開発したゾンビ化物質トライオキシン5は、幾度もゾンビを発生させる事故を起こしたために全て廃棄処分となる。しかし、その一部が巨大複合企業ハイブラテック社の手に渡り、生物兵器としての実験が続けられることになった。叔父である実験を行っている科学者のチャールズと同居する高校生のジュリアンは、モトクロスで転倒事故を起こす友人のジークが死亡したと聞かされる。しかし、友人のケーティからハイブラテック社に運び込まれるジークの姿を見たと伝えられ、ゾンビ化実験の事実を知ることになる。ジュリアンは仲間とハイブラテック社の工場へジークの救出に向かうのだが・・・。
[編集] スタッフ
- 監督 - エロリー・エルカイェム
- 製作総指揮 - ウラジミール・ドスタル、トム・フォックス、ニコライ・マカロフ
- 製作 - アナトリー・フラディス、スティーブ・スカルドゥッツィオ
- 脚本 - ウィリアム・バトラー、アーロン・ストロンゴーニ
- 撮影 - ガブリエル・コサス
- 音楽 - ロバート・ダンカン
- 出演 - ピーター・コヨーテ、エイミー・リン・チャドウィック、ジャナ・クレイマー
[編集] バタリアン5(原題:Return of the Living Dead:Rave To The Grave)
2006年公開。前作で生き残った高校生たちが大学生となっており、バタリアン4の直接的な続編にあたる。本作で、かつて人気を博したゾンビ・タールマンが復活している。
[編集] ストーリー
ハイブラテック社の工場でのゾンビとの戦いで生き残ったジュリアンは大学生になっていた。ある日、ジュリアンは叔父のチャールズが地下室に隠していたドラム缶に入ったトライオキシン5を見つける。化学に詳しい友人のコーディーに調べてもらったところ、トライオキシン5はドラッグに転用できる事が判明。コーディーはトライオキシン5を使ってZというドラックを作り出し、学生に売りさばいていく。Zは学生の間に広まっていき、次々とゾンビを生み出していく・・・。
[編集] スタッフ
- 監督 - エロリー・エルカイェム
- 製作総指揮 - ウラジミール・ドスタル、トム・フォックス、ニコライ・マカロフ
- 製作 - アナトリー・フラディス、スティーブ・スカルドゥッツィオ
- 脚本 - ウィリアム・バトラー、アーロン・ストロンゴーニ
- 撮影 - トーマス・キャラウェイ
- 音楽 - ロバート・ダンカン 、ラルフ・リッカーマン
- 出演 - エイミー・リン・チャドウィック、ジェニー・モーレン、ピーター・コヨーテ
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画作品 | ゾンビ映画 | 1986年の映画