バツ (通貨)
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バツ(Vatu)は、バヌアツの通貨単位。国際通貨コード(ISO 4217)は、VUV。略称として、Vtが使われることがある。独立後の1982年にニューヘブリヅ・フラン(New Hebrides Franc)とオーストラリア・ドルに替わる通貨として発行された。また、タイ王国の通貨であるバーツとは無関係。
バツの補助通貨単位はない。補助通貨単位が設けられなかった理由の1つは、ニューカレドニアやフランス領ポリネシアで使われているCFPフランと同等の価値を設定したためである。バツの交換レートは固定ではないが、いくつかの通貨から構成された通貨バスケットに連動していると言われている。1バツ=1.04円(2006年8月4日現在) バツは紙幣と硬貨の両方が発行されている。紙幣は、100バツ、200バツ、500バツ、1,000バツ、5,000バツである。硬貨は1バツ、2バツ、5バツ、10バツ、20バツ、50バツ、100バツである。1バツから5バツまではニッケルと真鍮の合金であり、直径は額面の小さいほうから16mm、19mm、23mmである。10バツから50バツは銅とニッケルの合金であり、直径は額面の小さいほうから、24mm、28mm、33mmである。100バツ硬貨は、再びニッケルと真鍮の合金であり、直径は23mmである。
バヌアツの住民は、計算などを単純にするため便宜的に100バツを1ドルと呼ぶことがある。これにはもう1つ理由がある。バヌアツの主な観光客の出身国であるオーストラリアやニュージーランドの1ドル硬貨は、それぞれ25mmと23mmであり、23mmの100バツ硬貨とほぼ同じ大きさである。現地の商店では、多くの場合、国を問わずドルを商品の代価として受け取る。