パセリガエル科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
?パセリガエル科 Pelodytidae | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() パセリガエル |
||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||||||||
|
パセリガエル科は両生綱 無尾目に属する分類群の一つ。この科の基準属(分類体系上で、ある科を認識するための基準となる属のこと)はパセリガエル属(Pelodytes)である。
(以下、「化石種」など表記しない限り現生種(パセリガエル属)に関する記述である)
目次 |
[編集] 分布
イベリア半島からフランス、ベルギー、イタリア北西部のヨーロッパ西南部とコーカサスとに分布する。また、最初の化石(†Propelodytes)がドイツで始新世層から発掘されており、この科はローラシア大陸起源と考えられる。
[編集] 形態
- 成体
- 小型で、体長は大きくても5cm程である。小さく足が長いことから外形はアカガエル類に似る。瞳孔は縦長の楕円形。後足の隆起(内蹠隆起)と水かきはさほど発達しない。雄は外鳴嚢をもたず、また繁殖期には第1指、第2指から腹部にかけて顕著な黒色の婚姻瘤(こんいんりゅう)が発達する。
- 幼生(オタマジャクシ)
- 口器の構造は複雑で、角質化した小歯を有し、唇も発達している。鰓室と外部への開口部(呼吸孔)はそれぞれ単一で、呼吸孔は体の左側に開いている。
[編集] 生態
地上生で跳躍力があり、また泳ぎもうまい。雄の発声はそれ程強くない。抱接の際に雄は雌の腰部を抱き、産卵は水草の多い止水環境にて行われる。幼生は自由遊泳生活する。
[編集] 分類
- プロペロディテス属 † Propelodytes Weitzel, 1938(化石1種、始新世)
- ミオペロディテス属 † Miopelodytes Taylor, 1942(化石1種、中新世)
- パセリガエル属(ツブガエル属) Pelodytes Bonaparte, 1838 - 3種(他化石種あり)
- コーカサスパセリガエル P. caucasicus
- イベリアパセリガエル P. ibericus
- パセリガエル(ツブガエル) P. punctatus
- パセリガエル属の染色体数は確認されているもので24本。この属の基準種(分類体系上での、ある属の基準となる種)はパセリガエル(P. punctatus)である。
[編集] 系統関係
- 他の科との関係
- パセリガエル科はスキアシガエル科に含められることもあるが、現在では異なった科と見るのが一般的である。ただ、多くの系統解析がパセリガエル科はスキアシガエル科と最も近縁であるという結果を得ている。ただし、現在スキアシガエル科は複数の科(コノハガエル科、ニンニクガエル科、トウブスキアシガエル科(三つとも仮称))に分けるとする考えもあり、その考えのもとで、パセリガエル科とトウブスキアシガエル科とのグループと、スキアシガエル科に含まれていた残り二つの科のグループとに分岐するという結論を得ている研究も存在する(Frost et al., 2006を参照)。
- 下位分類群の系統関係
[編集] 参考文献
- Frost, D. R. et al., "The Amphibian Tree of Life," Bulletin of the American Museum of Natural History, Number 297, NY, 2006, p.49, Fig.50.
- 松井正文 『両生類の進化』 東京大学出版会、1996年、58-65、69、164、245-249項。
- 内田亨他監修 岩澤久彰他著 『動物系統分類学 9(下A2) 脊椎動物(Ⅱa2) 両生類Ⅱ』 中山書店、1997年、100項。
カテゴリ: カエル | 動物関連のスタブ項目