ピーターパン症候群 (病気)
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ピーターパン症候群は、1983年にアメリカの心理学者、ダン・カイリー博士の著した「ピーターパン症候群(原題:Peter Pan Syndrome)」で提唱された精神疾患としての概念。一般の人はもちろん心理学の専門家の間でも使われてきた。
この本の中で、ピーターパン症候群は「成長する事を拒む男性」として定義されている。カイリー博士は、関連して「ウェンディ・ジレンマ(原題:Wendy Dilemma)」も1984年に出版している。
ただ、この症候群はアメリカ精神医学会出版の「精神疾患診断統計マニュアル」には記されていない。
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[編集] 心理学的アプローチ
ピーターパン症候群の心理学的な特徴としては、言動が子供っぽいという事のほかに、精神的・社会的・性的な問題をはらんでいるという事が挙げられる。ここで問題にされる男性は、人間的に未熟でナルシズムに走る傾向を持っている。このほかカイリー博士によれば"ピーターパン"は無責任で・反抗的で・怒りやすく・依存的で・ずるがしこく、そして価値観が世間一般のものや法律を飛び越している。博士はまた、"ピーターパン"は年齢的には大人の男性である“少年”で、母親に甘えている時や甘えたいと欲している時に、母性の必要を演じる傾向があるとも述べている。
博士は著作の中で、映画でJ・M・バリーが演じたピーターパンの性格を機能不全で誰かに頼らざるを得ない家族になぞらえて説明した。
[編集] ウェンディ
ウェンディとは、年齢的には大人の“少女”で、“ピーターパン”の母親的役割を演じる人の事を指す。カイリー博士は、誰かに頼っているカップル同志の関係の中で“ウェンディ”が“ピーターパン”に行う事柄は、時に不満がこぼされる事もあるが過保護で独占的で、彼女はいわば“殉教者”のようなものであると述べた。
現代においてこの言葉は、インターネットの中で恋人や夫を守るために燃えるように感情的になっている女性に対しても使われる事がある。[要出典]
[編集] 最近の傾向
ピーターパン症候群という言葉は広く、否定的な現象を指し示す為に使われてきた。しかし最近ではインターネットサイト、特にもブログの中で過去の因習を打破するような、若々しい心を保っている状態を指し示す為にも使われるようになった。有名な例としては、肯定的な意味でのピーターパン・シンドロームにかかっていると言われるマイケル・ジャクソンが挙げられる。
[編集] 参考文献
Kiley, Dan, Dr. (1983) The Peter Pan Syndrome: Men Who Have Never Grown Up. ISBN 0-396-08218-1
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- What Is Peter Pan Syndrome by Evan Bailyn
- The Peter Pan Syndrome by J. Budziszewski
- Peter Pan Syndrome in reverse by Chris Wayan
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