フィリップス・スタディオン
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フィリップス・スタディオン(Philips Stadion)はオランダのアイントホーフェンにあるサッカースタジアム。キャパシティは36,500人。名前の通りオランダの大手電機メーカーフィリップス持ちのスタジアムであり、事実上フィリップスが所有するPSVアイントホーフェンのホームスタジアムである。元々電球から始まったフィリップス社の威信がかかっているためか、スタンドの照明は冬場の観戦用に電熱器にも使えるほど、高性能なものが使用されている。
スタジアムの歴史は1913年まで遡る事が出来る。元々はフィリップス所有の敷地に建てられたこじんまりとしたスタジアムであった。その後1933年に18,000人までキャパシティが拡大される。1939年に第二次世界大戦が始まると、フィリップスのあるアイントホーフェンはドイツ軍、連合国軍から戦略上重要な地域と見なされアイントホーフェン市もろとも、決して少なくない損害を蒙る事になった。
戦後、スタジアムの復旧が行われ、1958年には22,000人収容のスタジアムに生まれ変わった。更に、1977年には27.000人収容になった。2002年にはEURO 2000に合わせて、大規模な改修工事が行わ、現在の36,500人収容のスタジアムになった。
PSVはエールディヴィジの中でもアムステルダムのアヤックス・アムステルダム、ロッテルダムのフェイエノールトと並ぶ強豪クラブの一つであるが、これらのオランダの代表的といえる都市に比べるとアイントホーフェンはかなり人口が少ないと言える。従ってアムステルダムやロッテルダムのスタジアムが50,000人以上のキャパシティを持つのに比べて、フィリップス・スタジアムはアイントホーフェンのマーケットに適った大きさになっている。このため、サッカーのオランダナショナルチームがこのスタジアムで試合をする事は少なく、EURO 2000でも重要な試合は前者2つの都市のスタジアムに譲っている。しかしヨーロッパサッカー連盟(UEFA)が定める4つ星スタジアムの規格はクリアしており、2006年にはUEFAカップの決勝戦の会場になる事が予定されている。