フツパー
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フツパー(フツパ, chutzpah, חוצפה)とは、もともとは大胆さや厚かましさを意味するヘブライ語の言葉で、善い意味でも悪い意味でも使われている。イディッシュ語(フツペ, khutspe, חוצפה)経由でアメリカ英語にも流入したが、本来はヘブライ語である。
本来は否定的な意味で使われる言葉だったが、英語に取り入れられるにつれて、普通はできないことを敢然と行う勇気に感嘆するといった肯定的な意味に変わってきた。レオ・ロステンは、著書『イディッシュの喜び(The Joys of Yiddish)』の中で、フツパーの意味を「鉄面皮、毛の生えた心臓、生意気さ、すさまじいガッツ、他のどんな単語でも、いかなる言語でも表現できないような尊大きわまる僭越ぶり」と定義している。たとえば、両親を殺しておきながら、法廷で「哀れな孤児にお恵みを!」と求める少年はフツパーの体現者である。
ユダヤ人弁護士アラン・ダーショヴィッツは『フツパー』という題のエッセイ集を出してベストセラーとなった。『ホロコースト産業』の著者ノーマン・フィンケルスタインは、この著書でダーショヴィッツがイスラエルについて述べた見解に答えて『フツパーを超えて』という本を出した。