プラネットライカ
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プラネットライカ(PLANET LAIKA)は、株式会社エニックス(現スクウェア・エニックス)が1999年10月21日に発売したプレイステーション専用ゲームソフト(ロールプレイングゲーム)。本作は、「クーロンズゲート」(SME発売)の制作に携わった是空が企画を担当し、話題になった。
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[編集] 概要
本作は、悪意に満ちた火星を舞台に繰り広げるサイコドラマロールプレイングゲーム。本作の特徴は、主人公が多重人格者であり、“物語に応じて主人公の人格を別の人格に変更する”というゲームシステムを採用していることである。人格は主人格のほかに3人存在し、それぞれに得意分野があり、状況に応じて人格を交代させる必要がある。主人公の“悪”が一定値までたまると人格を変更できるようになる。また、イベントの演出として所々にムービーを挿入し、本作の独特の世界観を表現している。
戦闘システムは、敵モンスターのシンボルに触れると戦いが始まる「接触エンカウント」をとっている。バトルは、念でつくりだした光球(マインドコア)で、敵が放つ念派を跳ね返すことで敵にダメージを与える。ただし、一般的なRPGと比べてモンスターとの戦闘はそれほど多くなく、経験値やレベルアップ、育成などの要素はない。そのため、本作はRPGというよりもアドベンチャーゲームに近いと言える。
なお、悪をためすぎたり戦闘に負けたりすると、主人公の人格が暴走や崩壊を引き起こしゲームオーバーになる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] プロローグ
大昔、まだ火星人が存在した頃、地球人は友好と平和の証に火星人とある契約をした。その契約は「顔の契約」と呼ばれ、顔のない火星人に地球人の顔を譲渡するというものであった。人間の顔をなくした地球人は、以後、醜い犬の顔となった。それから、ほどなくして火星人は絶滅した。
10年前、地球の世界連盟は火星の地球化計画に向けた調査のため、ガリル大佐をリーダーとする一団を火星に派遣した。しかし、調査団からの連絡は突如途切れ、調査団は消息不明となる。この時期から火星において住民の幻覚症状の発生や怪物の出現などの怪現象の噂が立ち始める。
そして、現在、世界連盟は地球化計画の再開に向けて再び火星への調査団派遣を決めた。若き宇宙飛行士ライカは第2次調査団のメンバーに抜擢されるのであった。地球ではクリスマスを迎える頃、調査団は火星に到着した。
[編集] 登場人物
- ライカ
- 本作の主人公。宇宙航空連盟の新人無線技師。今回、火星調査隊のメンバーに抜擢され、火星ロケット「フェニックス号」の乗組員を務める。元来、おとなしい性格だが、複数の人格が潜在している。そのため、火星の発する邪気(イーブルマインド)に影響を受け、他の意識が顕在化した。ちなみに“ライカ”はニックネームで本名ではない。
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- アーネスト
- ライカの人格のひとつ。やや荒っぽい性格。アニマル系の悪人。
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- ヨランダ
- ライカの人格のひとつ。唯一の女性の人格。ビジュアル系の悪人。
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- スペーサー
- ライカの人格のひとつ。優れた頭脳を持つ。だが、姿勢が悪く猫背。サイコ系の悪人。
- エイプリル
- 火星調査隊のメンバーで「フェニックス号」の唯一の女性クルー。宇宙地質学助手。
- ヌーン
- 火星調査隊のメンバーで「フェニックス号」の機関士。
- タトラー船長
- 「フェニックス号」の船長。今回の火星調査隊の隊長を務める。
- 火星コロニー「PRISON4」の住人たち
- 火星のコロニー「PRISON4」は、元々刑務所としてつくられたもので、現在でも住民の大半を流刑者や密航者の生き残りやその末裔が占める。そのため、地球人、特に制服を着た人間に対する敵対心が強い。
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- ヘロデ
- 酸素屋の主。火星コロニー「PRISON4」を仕切っている。酸素石から酸素を生産し、火星の生活環境を向上させてきた。
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- ホワイトイーグル
- 先遣隊のメンバー。現在はコロニーにいる。メディスンマンと呼ばれる。
- ガリル大佐
- 10年前に火星に派遣された調査団のリーダー。謎の言葉を残した後、消息を絶った。
- セーブ犬
- 冒険のセーブをしてくれる犬。物語の進み具合によっては、移動することがある。
- フェイス
- 顔の怪物。地球人の顔に対する欲望や妄執が火星のイーブルマインドの力により具現化し、モンスターと化した。
[編集] スタッフ
- ナレーション:熊倉一雄