プロヴァンス級戦艦
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プロヴァンス(Provence)級は、フランス最初の超弩級戦艦。前級「クールベ級」の改良版として設計されたため、船体構造の大部分が同一である。相違点は、前級で船体中央部に設けられた単脚檣の位置が煙突の背後から前へ移動したこと、主砲口径を30.5cmから34cmにアップした関係で砲塔数が6基から5基に減少したことが挙げられる。これにより隣国ドイツで主流だった12インチ砲戦艦に対し優位に立ったと見ることも出来たが、本艦が竣工した時には世界が超弩級戦艦時代に突入し、英独では15インチ(38.1cm)砲を採用していたため、戦力的価値が低いと評価された。ただ、水雷防御の充実等と次世代へ続く先進性も見られた。
本級は防御に重きを置くフランス戦艦の伝統に基き、同時代トップクラスの防御性能を持っていたが、第一次世界大戦では大きな海戦に参加することは無く、海軍休日中に大小の近代化改装を受け、イタリア海軍の弩級戦艦への抑止力として働いた。第二次世界大戦ではフランスが早期にドイツに降伏をしたため、「ロレーヌ」がイタリア本土へ艦砲射撃を行った以外は主な活躍をしないまま「プロヴァンス」「ブルターニュ」は北アフリカ・メルセルケビール港にて英艦隊の攻撃を受けて戦没(メルセルケビール海戦)し、「ロレーヌ」だけが自由フランス海軍所属として戦後まで戦いぬいた。
()内部は「ロレーヌ」のスペック
- 水線長:m
- 全長:165.81m
- 全幅:26.911m
- 吃水:9.8m
- 基準排水量:27,340トン
- 常備排水量:トン
- 満載排水量:トン
- 兵装:34cm(45口径)連装砲五基、13.9cm(55口径)単装砲22基、47mm(60口径)高射機関砲四基、13.2mm連装機銃16基(34cm(45口径)連装砲四基、13.9cm(55口径)単装砲22基、10cm(45口径)単装高角砲7基、45mm機銃二丁)
- 機関:石炭専焼缶24基+パーソンズ式ギヤードタービン2基4軸推進(竣工時)
- 重油専焼缶6基+パーソンズ式ギヤードタービン2基4軸推進(1933年)
- 最大出力:29,000hp(1933年以降は43,000hp)
- 最大速力20ノット(1933年以降は23.7ノット)
- 装甲
- 舷側装甲:270mm
- 甲板装甲:105mm
- 主砲塔装甲:400mm
- 航続距離:10ノット/4,700海里
- 航空兵装:-機
- 乗員1,100名