プンティウス
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プンティウス | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||
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プンティウスは小型のコイ科の観賞魚で、ラスボラに次いで多くの種類が親しまれている。代表種はスマトラPuntius tetrazonaで、ラスボラに比べると体高が高く、活発な種類が多い傾向がある。ただ、スマトラを始めとして性質が荒い種類が多く、同居相手によっては深刻な問題を引き起こす可能性もある。例えば、エンゼルフィッシュやグッピーのようなヒレの長い魚はヒレをつつかれて衰弱してしまうことから、それらの種類との同居はすすめられない。生息地が南米やアフリカなどの原産の魚よりも日本に近いため、輸送手段が未発達な時代でも比較的容易に輸入することができた。そのため、ラスボラやグラミーなどの魚と並んで非常に古くから飼育されている熱帯魚の一つとして知られている。
[編集] 分類と種
なお、特別の通称をもたない種は、学名で呼ばれるのが一般的である。
- スマトラ
- 学名:Puntius tetrazona、英名Tiger Barb
体長 7 cm。インドネシアのスマトラ島・ボルネオ島に分布。古くから一般的に親しまれてきた熱帯魚の一つ。学名の通り体に四本の緑色を帯びた黒い帯模様が入り、ヒレが赤く染まる。非常に飼育しやすく活発に泳ぎ回るが、性格が荒い魚として有名。スマトラのみか、本種と張り合えるような魚と飼育する必要がある。全身がメタリックな暗緑色におおわれるグリーンスマトラや、アルビノなどの改良品種が多い。
- ロージー・バルブ
- 学名:Puntius conchonius
体長 5 cm。生息地・インド。こちらも古典的なPuntiusの一種で、体全体がオレンジ色になる。
- オデッサ・バルブ
- 学名:Puntius sp.
体長 5 cm。頭部の後方から尾びれまで、鮮やかな赤~オレンジ色の発色のある美しい魚。改良品種とされるが、元の種類は定かではない。
- ポストフィッシュ
- 学名:Puntius lateristriga、英名Hammer Barb
体長 15 cm。生息地・タイ・マレーシア・インドネシア。全長15cmに達する中型の魚で、名前は2本の横縞と1本の縦縞からなる郵便局のマークに似た模様に由来する。このマークが郵便局を指すのは日本だけなので、海外ではハンマーバルブと呼ばれる。
- プンティウス・ペンタゾナ
- 学名:Puntius pentazona pentazona
体長 5 cm。生息地・ボルネオ島。オレンジ色の地にスマトラに似た横縞が入る魚で、基亜種であるpentazona pentazonaの他に2つの亜種が存在する。特にpentazona rhomboocellatus亜種は、縞模様が崩れて独特のドーナツ型となるユニークな外見から人気がある。スマトラよりは性質はおとなしく、他種との混泳は容易。
- チェリーバルブ
- 学名:Puntius titteya
体長 4 cm。生息地・スリランカ。他種よりも若干体高が低い小型のプンティウスの一種。婚姻色を呈した雄は非常に濃いオレンジ色に染まる。
- プンティウス・ゲリウス
- 学名:Puntius gerius
体長 4 cm。生息地・インド。透明感の高い黄色い体に、不明瞭な黒い縞模様が入る繊細な外見の魚。プンティウスとしては珍しいことに非常におとなしく、スマトラなどの種類とは別の意味で同居魚に注意する必要がある。環境の変化にも弱いため入荷したての個体はやせていて餌を受け付けないこともあるが、水槽に慣れれば比較的飼いやすい。
- レッドフィン・バルブ
- 学名:Puntius schwanenfeldi
体長 30 cm。生息地・インドシナ半島。本属としては非常に大型になる魚で、飼育には広い水槽が必要。尾びれと腹びれ、尻びれが赤く染まる。
- レッドライン・トーピードバルブ
- 学名:Puntius denisoni
体長 20 cm。生息地・インド。
近年になって輸入されるようになった中型のプンティウスの一種。尾びれの両端にシザーステールラスボラのような白黒の模様が入り、胴体の黒いラインに沿うように頭部から体の中央にかけて赤い発色がある美しい魚。レッドノーズ・トーピードバルブという本種に似た魚が存在する。非常に活発なため、飼育にはある程度の大きさの水槽を必要とする。