ベネチアンビーズ
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ベネチアンビーズとはベネチアで作られたビーズの総称。直径5mmを超える大きな物が多い。金箔が封入されている物や、花柄のガラスを集めて一つのビーズに仕立てた物が有名。
ベネチアンビーズの製法はとんぼ玉の製法に似ているが、芯となる銅線に離型材(近年では塩酸の使用規制がきつくなり、小さな工場では剥離剤を使うこともある)を使用しないため、銅線を抜いた後の穴が透き通っているという特徴がある。また、大半がハンドメイドで作られているため、二つとして同じビーズは存在しない。
ベネチアはかつて東西交易の中継点となったことから、イスラムのガラス製法が早くに伝えられた。700年ほど前、技術流出を恐れた時の為政者がガラス職人をムラノ島へと移住させたことがベネチアンビーズ(ベネチアングラス)の始まりと言われている。職人が狭い島に集中した結果、技術が磨かれ、質が高く芸術性に優れたガラス製品が数多く作られた。現在でもムラノ島はベネチアンビーズの中心地となっているが、近年では技術流出が激しく、インド産のベネチアン風ビーズや中国産のベネチアン風ビーズが低価格で多数出回っている。 インドビーズや中国ビーズとの見分け方は年々困難になっているが、ガラスの材質の違いや、芯の部分の違い、またデザイン性の違いがあげられる。