マスメディアと芸能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マスメディアと芸能。ここではマスメディアと芸能の関係について述べる
[編集] 歴史
大正の末まで芸能と言えば演芸場の興行と映画であった。しかし、1925年(大正14年) に社団法人東京・名古屋・大阪放送局がラジオ放送を開始したのを気に浪曲師や講釈師が出演し始め、より多くの人達が芸能に接する機会を得た。しかしながら、ラジオ本体の性能の悪さからその音声はあまり良いものではなく、一部の浪曲師や講釈師は出演を拒んだ。ラジオの受信出来る地域の興行主の一部には自分達の浪曲師や講釈師を放送局に出す事で興行が上手くいくのではないかと考える者や、ラジオに客を取られるのではないかと考える者がいた。昭和初期、蓄音機が量産され、各地にもラジオ局が出来た為、興行の主体は徐々に劇が中心になって行く。この傾向は戦後まで続いた。1953年(昭和28年)2月1日 に NHKでテレビ放送が開始され、伝統芸能の能や歌舞伎が放送されたが、芸能(歌・浪曲等)関係はあまり出演したがらなかった。当時は映画が全盛で、テレビは高価な品物で主に街頭にテレビを設置していて「映り悪い小さい画面」にわざわざ出演する必要がなかったのである。当時テレビ出演は「映画に出れない俳優の仕事」と揶揄され、当時の一流映画俳優の一部には「あんな紙芝居」とまで発言していたが、 1964年(昭和39年)東京オリンピックと皇太子明仁親王(今上天皇)成婚のテレビ中継でテレビの需要が拡大して映画界は斜陽の時代を迎える事になる。