マリク
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マリク(malik;muluk<複数>)とは、アラビア語で王の称号を意味する。
[編集] マリクの称号
マリクとは一般的に支配者という意味で、中東における君主号のひとつである。コーランにおいて「神のみが王である」という記述がある一方で、イスラム教の預言者 ムハンマドの死後、カリフによるアラブ一帯の統治がなされるようになると、マリクは非イスラムの支配者を意味するようになった。しかし、イスラム支配者であったウマイヤ朝のカリフは非イスラム王権を行使するが故に、ウマイヤ朝の君主はカリフではなく、マリクであるとされる。
アッバース朝の最盛期であった9世紀以降、アラビアでは旧サーサーン朝の支配領域に、複数の王朝が成立するようになるが、それらの君主はマリクないし、ペルシャ語で王を意味するシャーハンシャーなどの君主号を用いるようになった。
11世紀以降に成立したセルジューク朝では、君主号はスルターンとするのが一般的になったが、それとともにマリクの称号も併記されるようになった。20世紀に入り、中東のイスラム圏においていくつもの王国が樹立され、国王の称号としてマリクが採用された。しかし、第2次世界大戦以降は中東のイスラム小王国は次々と崩壊し、マリクの称号の地位も低下していった。
